山崎寿人さんの豊かになる時間の使い方

幸せになるための時間の使い方(写真はイメージです)

幸せになるための時間の使い方(写真はイメージです)

中高一貫の名門校から東大へ進み、大手酒類メーカーの広報マンとして活躍――。そんなエリート街道から一転、“年収100万円の自由人”として生きることを選び、豊かな節約生活に突入した山崎寿人(やまさき ひさと)さん。以来、24年間無職、年間100万円生活を続けています。今回は1日の時間の使い方についてインタビューしました。

●山崎さんのある1日のスケジュール
8:20  起床
8:25~ 歯磨き
8:35~ 朝食(グリーンスムージー)
8:45~ 後片付けと皿洗い
8:55~ ハーブプランター菜園の手入れと室内掃除
9:20~ PCのメールチェック
10:20~ 買い物と散歩(天気のいい日はスクーターで遠方特売ツアーに出ることも)
11:15  帰宅
11:25~ 空白
13:25~ 昼食(バナナとヨーグルト)
13:45~ 後片付け
13:55~ 空白
18:00~ テレビをつけて夕食準備
18:55~ 夕食(四川風激辛麻婆豆腐、土鍋炊きたてご飯、サラダ、もずく酢)
19:35~ 食後のティータイム&テレビ
20:00~ 後片付けと皿洗い
21:00~ 空白
21:54~ ニュース番組を見ながら腹筋やスクワットなどのトレーニング
23:10~ 空白
24:30~ ティータイム
25:00  PCのメールチェック
25:30  風呂
26:00  歯磨き
26:10  就寝

使うのは、お金ではなく「アタマ」

――意外と言ったら失礼ですが、割と規則正しい生活をされているのですね。スーパーには毎日行かれるのですか?

山崎寿人さん そうですね。毎朝10時過ぎに1時間くらいかけて4~5軒のスーパーをまわり、安いところで買っていく感じです。以前はチラシを毎日比較していたけれど、今はどこの店がだいたいどれくらいの価格か頭に入っているので、あまり見なくなりました。

―“空白”の時間はどんな過ごし方をされるのですか?

山崎 脳を気ままに自由放牧させています。思索や瞑想、妄想…とさまざまです。人生54年も生きていると脳の効率的な使い方(回路)が固定化してくるのと引き替えに、どうしたって新しい回路ができにくくなってくる。ですから、ありとあらゆる物事について、ひとつひとつゆっくり考え直してみるという自由気ままな生活をしています。会社員時代とは全然違う脳の使い方をしています。

――そうなのですね。例えば、どんな“脳の放牧”を…?

山崎 
僕はゴルフが好きなので、“たまにはゴルフ行きたいなあ”と思うこともあるわけです。時々、接待ゴルフで人数が足りないときに友人がコソッと誘ってくれることもありますが、そう滅多にあるわけではありません。練習場にも行けず、クラブも握れない。そんな時こそ、脳を放牧させて、“この状況でどうやってゴルフの上達を図るか”を考えるんですね。つまり、“クラブを持っちゃいけないスイング理論”です。友人に「もしその理論でスコア100を切ったら3回ゴルフに招待する」と言われ、一緒にコースに出たところ、97で回ることができ、無事賭けに勝つことができました(笑)。無茶だと思うことをどう突破するか、ゲーム感覚で考えるのが楽しいんです。

――そうやって脳を自由に遊ばせているわけですね。モノに頼る必要がないから、お金もかからない。毎日退屈しませんね。

山崎 ちなみに最近考えているのが、“欲をなくせばなくすほど儲かる殖財法”です。そんな逆説的なビジネスモデルや投資法が見つかったら、痛快でしょ? それに、世の中いろんなことが変わると思うんですよね。世界が“悟った人”ばかりになっちゃって、いがみ合いや戦争なんかも減ったりして。もちろん、あくまで妄想ですよ、妄想(笑)。

――殖財に興味をお持ちなんですか?

山崎
 幸か不幸か、殖財の才は持ちあわせていないようだし、それにもともと勝負ごとは好きじゃない……というより、生き方そのものがギャンブルみたいなものだから、今さら賭け事や株などに熱を上げる気にはなれません。

ただ「欲をかかない人間の方が万事うまくいくよな」と友人と話していて、そういう方法を何か形にできないものかと。何事も他人事のように見ると物事はよく見えるのに、いざ自分がやり始めると、途端に目が曇る。これは勝負事だけでなく、ビジネスや投資、恋愛でもそうですよね。“おかめはちもく”(岡目八目)になるにはどうすればいいのか。そんなことに思いを巡らせている毎日です。』

――“考えることに没頭する”ことが、山崎さんにとって、最高に贅沢で楽しい時間なのだと感じます。

山崎 ただ、社会人として必要な脳ミソのシワは減っているかもしれません(笑)。

★次回は山崎さんが考える「本当の豊かさ」についてインタビューします

教えてくれたのは…
山崎寿人(やまさき ひさと)さん
1960年生まれ。東京大学経済学部卒業後、大手飲料メーカーの広報マンとして5年にわたり活躍するが30歳で退職。その後日本新党の立ち上げにかかわり、小説家を志したことも。20年以上定職につかず、自分で豊かな生活をデザインする自由人として暮らす。著作『年収100万円の豊かな節約生活術』はベストセラーに。

取材・文/西尾英子
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。