大人のお金 トレーニング講座/大人のお金 トレーニング講座

「良い投資信託を選ぶ力」のつけ方とは?

投資で失敗しない人は、選ぶ力がある人です。何を選んだかという結果ではなくて、どうやって選んだかという経緯(プロセス)が大事なのです。たとえば、投資信託で日本株に投資する場合の、簡単な選び方をご案内します。銘柄だけでなく、クラスとエリアを選ぶことはもっと大事です。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

  • Comment Page Icon

選ぶ力

良い投資信託を選ぶには?

良い投資信託を選ぶには?

投資に必要な能力として、選ぶ力があります。たとえば、投資信託を選ぶときに、どんな手順を踏んだらいいのでしょう。日本株の投資信託を選ぶことを前提として、選ぶプロセスをご案内します。

まずは、選ぶ基準を決めなければいけません。候補を絞り込むためのオンリーワンのポイントを決めるのです。

選択の基準はなにか?

人はすぐに儲かる銘柄を聞いてきますが、大事なことは選択のプロセスにあり、その鍵を握るのが選ぶ基準です。「良い投資信託」といっても、10人いれば10のニーズがあるのですから、最優先する基準を考えてください。

基準の例として、収益性、安全性、確実さがあります。

1、収益性を優先するなら、長期リターンを選考基準とします。
リターンは収益率なので、数字は大きい方が良いです。

2、安全性を優先するなら、標準偏差を選考基準とします。
標準偏差は値動きの大きさなので、小さい方が良いです。

3、堅実な選択をしたいのなら、運用期間と純資産額を基準とします。
運用期間が長いということは、途中で償還されたりしないで、生き残ってきたことの証しです。純資産額が多いということは、多くの投資家の資金を預かっているので、信頼性と人気の象徴です。

この基準を、自分の願望に従って適切に選ぶことが、選ぶ力です。

データを比べる

自分の基準を決められた人は、モーニングスターや投信協会のサイトで、現実のデータを入手することができます。

<モーニングスター>
http://www.morningstar.co.jp/fund/

<投信協会の投信総合検索ライブラリー>
http://tskl.toushin.or.jp/FdsWeb/view/FDST000000.seam

長期間で比べる

さて、基準を比べるときに、注意したいのは、基準とするデータの対象期間です。よくあるのは、直近1カ月とか、直前の1年とかの、短期的なデータです。マスメディアで取り上げるのは、この類のランキングです。しかし、短期間の実績は、信頼性が高くありません。

投資の世界では、予測できないマーケット状況により、たまたま好成績となることが、よくあるからです。そうした偶然を排除するには、長期間の統計で調べることが一番です。私は、常に5年間の実績データでファンドを比較するようにしています。そうすれば、いろいろなマーケット環境を乗り越えたあとの、当然の実力を知ることができます。

短期のデータにより間違えるのは、偶然の他に、後追いです。

マーケットは常に循環しています。短期のランキングは目まぐるしく入れ替わります。今の今に好成績を残しているということは、それがピークなのかもしれません。そんな投信を選ぶと、あなたが買った途端に、ランクが急落するような悲劇が起こります。これを、後追いの投資行動と呼びます。

ここまで、投資信託を選ぶ段取りをご案内してきましたが、実際には、その前に重要な選択があります。

銘柄より大事な選択は?

それは、投資対象と投資地域の選択です。

まずは、投資対象。株なのか、債券なのか、不動産なのか。これを自分の投資目的に合わせて選ばなければなりません(アセットクラスの選択)。

次に、投資地域。国内なのか、海外なのか。海外ならば、米国なのか、欧州なのか、アジアなのか。その構成比率をどう決めるのか。投資地域を自分の投資目的に合わせて選ばなければなりません。

クラスとエリアの選択は、抽象的でむずかしいかもしれません。購入窓口の専門家に相談してみると、自分で選ぶことができるようになると思います。プロセスを飛ばして、結論だけ求めると、確実に失敗するでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます