最高出力&最大トルクは現行型の日産GT-Rを上回る
コンチネンタルフライングスパーの日本デビューは2005年6月。それより約1年前に登場したクーペのコンチネンタルGTとシャシーを共有する4ドアサルーンです。発表当時の最高速度は312km。4ドアモデルとしてはベントレー史上のみならず、世界最速だと同社は謳いました。
実はベントレーはかつて、1952年に製作したクーペのRタイプコンチネンタルから、1957年に当時世界最速の4ドアサルーンとなるコンチネンタルフライングスパーを開発した歴史があります。つまり21世紀に入ってから、それを踏襲したわけです。
1950年代のそれと大きく違うのは、2003年に親会社がVWになったことで経営が安定し、技術革新が進んだ事かも知れません。おかげで、機関系のクオリティは格段に上がりました。
心臓部分はVWグループのアウディA8にも搭載された6LのW型12気筒(VじゃなくてW型というところも、心をくすぐるスペックです)。これにツインターボを装着しているところが、A8とは異なる点です。
標準では後席3座の5人乗りですが、オプションで写真のようなセンターコンソールを備えた4人乗り仕様がありました(中古車でも結構見つかります)。4人乗り仕様だと、後席もセンターコンソール内にあるスイッチで位置を調整できる電動パワーシートとなります
最高出力は560PS、最大トルクは650Nm。日産GT-R(現行型)の550PS&632Nmを上回るって、どんな4ドアサルーンなんだよ!と突っ込みたくなる数値です。
そのパワーを余すことなく路面に伝えるために4WDが組み合わされています。ミッションは6速AT。現在の流行は8速(実際、現行型のフライングスパーは8速AT)ですから、一見見劣りがします。
しかし、この車はわずか1600rpmという低回転で最大トルクを発揮するため、本来6速で十分すぎるほどなんです。だって1600rpmといえば、つま先にちょっと力を入れたらすぐですよ。これじゃあ、8段も要らないですよね?
足回りにはクーペのコンチネンタルGT同様エアサスペンションが採用されています。専用のセッティングが施されたのはもちろん、アルミ製の新型サブフレームの採用など改良が加えられ、スポーツカーとしての性能と高級サルーンとしての乗り心地が与えられました。
装備が充実しているのは言わずもがな。キセノンヘッドライト、純正カーナビゲーション、前後左右の4ゾーンでそれぞれ調整できるフルオートエアコン、フロントシートは電動調整機能やシートヒーター、ベンチレーションも備えています。
まあ、先述したように浮き世離れした超高級サルーンですから、私のような庶民から装備面で不満などでるはずもありませんけれど。
ちなみに中古車を見ると定番の白黒以外にもボディ色がいくつかあり、また内装色も黒、ベージュ、タン、赤……とさまざまです。色の組み合わせで探すのも結構楽しい中古車だと言えるでしょう。
厳選された上質な素材で覆われたインテリア、とはいえただのラグジュアリーカーではなく、スポーツカーの性能を秘めている。中古車で安くなったとはいえ、新車で国産高級車が買えるほどの価格ですが、そんな車に一度は乗ってみたいもの。
312km/hを試すことはなさそうですが、家の前で洗車しながら「ウチの車はGT-Rよりパワーとトルクがあるんだよ」なんて、たまたま通りかかった知人に言ってしまいそう。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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