北朝鮮ポップスの世界

ネットでふと見かけた「北朝鮮のYMO」というキーワードに反応して、2015年3月17日に発刊された『北朝鮮ポップスの世界』という本を読みました。著者は、『デイリーNKジャパン』編集長として北朝鮮事情に精通した高英起(こう よんぎ)さんと『のんびりIbiza』などを著作がある音楽にも詳しいライターのカルロス矢吹さんです。

北朝鮮ポップスの世界
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北朝鮮ポップスの世界


北朝鮮に関する書籍は日本でも数多く出ていますが、こと音楽となると本書の帯文「ワールドミュージック 最後のフロンティア」とあるように未開拓の領域です。爆風スランプのドラマー、ファンキー末吉さんによる『平壌6月9日高等中学校・軽音楽部 北朝鮮ロック・プロジェクト』(2012年)がありますが、こちらはドキュメンタリー的なもので趣旨が異なっています。

矢吹さんが北朝鮮事情に通じた在日コリアン2世である高さんに質問を投げていく形で、北朝鮮の誕生から現在にいたる流れを音楽だけでなく、政治的、社会的な側面の話も交えて「北朝鮮ポップス」を読み解いていきます。また、金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正恩(キム・ジョンウン)という北朝鮮の歴代最高指導者と北朝鮮ポップスの関係は大変興味深いものがあります。

この本においてYMOに影響を受けたとされているのが、普天堡(ポチョンボ)電子楽団です。5つあるの中のChapter 3のタイトルは、「ポチョンボ電子楽団結成」とあります。僕のひとつのテーマとしてウォッチャー的活動をしているのは、All Aboutでも連載している「共産テクノ」。「冷戦時代にソ連を中心とした共産主義陣営で作られていたテクノポップ~ニューウェイヴ系の音楽」と僕は定義しています。ポチョンボ電子楽団の結成は1985年とあり、時代的には共産テクノ枠です。また、この時期というのは、一部の先んじた先進的な共産主義陣営を除いて、ソ連などでも共産テクノが増えてくる時期でもあります。

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