普通の方がいい
続いて『警視庁捜査一課9係』。初回からの伸びはナンバーワンです。初回2時間スペシャルは警察内部の隠蔽が主題で加納係長(渡瀬恒彦)が凶弾に倒れるという派手な展開でした。ところがこれがおもしろくなかった。二話は普通の事件に戻ってよくなってました。『9係』は特別なことをせず、いつも通りの方がいいようです。『ようこそ、わが家へ』は微妙なところ。相葉雅紀が月9主演で大丈夫かといわれていましたが、主人公は自信のないキャラでよくあっています。あっていないのは月9とストーカーものサスペンス。それに原作は父(寺尾聡)が主人公なのを長男主人公に改変して、展開に無理を感じるのも難点。
テレビ東京系ながら好調なのは『三匹のおっさん2』。前作で原作エピソードをほぼ使い切り、オリジナルストーリーになるのが不安点でしたが、キャラクターが定まっていて応用がききやすいようでおもしろさは変わりません。これならさらなるシリーズ化もありえます。
ガイドおすすめ
低視聴率でもガイドがいいと思っているのは三作。『心がポキッとね』は「山口智子が昔のままでイタすぎる」といわれていますが、イタい人々を描くドラマなんだから計算通りでしょう。ただ一般的にはそんな山口智子をいまさら見たくないだけで。葉山みやこ(水原希子)がガニマタで走り蹴飛ばすアグレッシブさが見ものです。
激戦の火曜22時。『美女と男子』と『戦う!書店ガール』の裏二つと比較すると明らかに『マザー・ゲーム』の勝ち。見る前は『名前をなくした女神』に近いのかと思っていましたが、むしろ『夜行観覧車』マイルド版という感じです。
そして『64』。男だらけの緊迫した作品なので見る人を選ぶと思いますが、ガイドとしては春ドラマの中でベスト、ひょっとしたら今年のナンバーワンかも。警察組織の問題とその中でいかに生きるかということをキッチリ描き、初主演のピエール瀧も存在感を見せています。
視聴率グラフ