まずは、1階から見ていきましょう。【写真1】をご覧下さい。中庭と床から一段上がったタタミベッドがある居室と一体感がある空間デザインとなっています。
このモデルハウスでは、1階の居室の床材と中庭の床材に同じ素材が使われています。素材はトルコ産の天然大理石。ランダムに配置するのではなく、しっかりと目を合わせ連続性が感じられるように一枚一枚配置されているこだわりようです。
【写真2】は写真1を拡大したもの。ご覧いただくと、サッシのレールの部分が同じ素材で隠されているのが分かると思います。これは着脱ができるよう同じ素材で専用の部材として作成したもの。サッシも含め特注品だといいます。
ちなみに【写真1】の奥に樹木が見えます。これを含め建物内にはオガタマノキ、ヤマザクラ、アラカシ、ヤマモミジ、シマトリネコの5本があり、これらは庭師の比地黒氏が京都で選定し、植樹されたものです。
【写真3】は玄関ホールから2階へ至る階段の側壁に施された左官仕上げ。左官の久住氏による「コテカキオトシ」という技法が用いられています。水や風がイメージされ、日中は自然光の具合で、さらに夜間は照明によって様々な表情となります。
つまり光の具合によって、空間の印象が異なり様々な雰囲気を楽しめるよう配慮されているわけです。大変細やかな設えだといえるでしょう。
【写真5】は、階段室の方向からキッチンを移したもの。キッチンの背後にある棚に注目してください。これはリビングセットの方まで続いていますが、食器棚や冷蔵庫、テレビなどをトビラで隠すように作られています。
キッチンと背面収納、さらには造作家具はCUCINA(クッチーナ)製。さらに置き家具や小物類はカッシーナ・イクスシーを取り入れています。これらのインテリア企業が関わり、全体のコンセプトに合うようにコーディネートされているのも、このモデルハウスの特徴の一つです。
キッチン(【写真6】)に見られる突き出た部分は換気装置。使用しない時には、キッチンの水平面と同じ高さに収まるため、キッチン周辺がすっきりと見え、LDK全体の雰囲気を損なわないようになっています。
「何度もできる」というのはこれくらいのレベルのことを指すということです。皆さんは必要以上に難しく考えず、「へぇー、こんなことができるんだ!」くらいに見てもらえばいいでしょう。
例えば背面収納などは、素材やメーカーは別として、皆さんでもうまく工夫すれば取り入れられる提案かもしれません。高級仕様のモデルハウスでも、詳しく見れば皆さんの住まいづくりで参考になることを見つけられるかもしれません。ぜひ、うまく活用していただきたいものです。