なで肩といかり肩、どっちが肩こりしやすいの?
「片方の肩が盛り上がって一側性のいかり肩になっているね」とマッサージ屋さんで指摘されたという人もいます
「なで肩」は頭と肩先の距離が開いていて、両肩がストンと下がったような印象を持ちます。一方「いかり肩」は、両肩をすくめたような姿勢に見えるかもしれません。両者によって起こる肩こりの違いは、肩こりに関わるどの筋肉の緊張が強まるのか、機能低下が生じやすいのか、ということです。そのため、有効なエクササイズにも違いが出てくることになります。
鏡を見て鎖骨に注目してみよう
鎖骨の位置の変化が必ずしも肩こりを起こすということではありません
いかり方は、このラインの角度が大きく、外側が上がっている状態です。なで肩は、その反対で、外端が下がっている状態です。いかり肩、なで肩は生まれつきの骨格である場合もあります。
しかし、生活習慣で偏った姿勢が続いたり、疲労をそのままにしておくなどすることで、鎖骨の位置が変化してしまうことも考えられます。その場合、筋肉の血行不良などの問題が起こりやすく、肩こりを感じやすくなる可能性が高まります。
鎖骨や肩甲骨のバランスを乱す生活をしていませんか?
鎖骨の位置が変化することと肩こりとの間には、どんな関係があるのでしょうか? ポイントとなるのは、鎖骨は肩甲骨と繋がっているということです。毎日のデスクワークなど、偏った姿勢・動作が続くことで、その際に疲労する筋肉の影響により肩甲骨の位置が変化し、同時に鎖骨へも影響を及ぼします。逆に鎖骨の位置の変化によって、肩甲骨とのバランスを損ねる場合もあります。肩甲骨周囲にも鎖骨にも、肩こりを生じる筋肉が複数付着しています。そのため、肩甲骨と鎖骨のバランスを乱す周囲の筋緊張が持続することで、なで肩・いかり肩といった見た目上の変化をきたすことがあるのです。
左右同じように鎖骨の位置が変化するとも限りません。片方の鎖骨だけ角度がついてしまい、左右差の大きいいかり肩のように見えたりもします。
なで肩では筋力がしっかりと発揮されにくい
手・腕のだるさ、しびれ、動かしにくさなど胸郭出口症候群の症状が表れることがあります
首を前や横に倒す斜角筋や後頭部、頸椎、肩甲骨、鎖骨、胸椎といった広い範囲にある僧帽筋、肩甲骨の動きに関わる菱形筋、小胸筋などが本来のパワーを発揮できない状態になると、肩こりの他に肋骨と鎖骨間に問題が生じる胸郭出口症候群の症状も引き起こしてしまうケースがあります。
いかり肩では筋肉がぎゅっと硬くなりやすい
筋肉が伸張され張り感の強いなで肩と比べると、いかり肩では、筋肉がぎゅっと縮まり硬くなるコリを生じる状態がみられます。斜角筋や僧帽筋、肩甲挙筋といった筋肉の過度な緊張がみられることで、なで肩に比べると両肩がより高い位置に感じられることになります。なで肩、いかり肩のどちらにおいても、呼吸をする際に働く筋肉が正常な働きをしていない可能性が高いため、肩こりと同時に息苦しさや頭がスッキリしないと感じることも増えるかもしれません。
なで肩・いかり肩のエクササイズとは?
このように鎖骨の位置が変わることにより、なで肩といかり肩とにタイプを分けることができます。なで肩でもいかり肩でも、影響を受ける筋肉が2つのタイプで同じ部位であったとしても、筋肉が伸張されるか過度に収縮しやすくなっているか、など違いがあるわけです。ですから、肩こり予防・緩和の効果をより早く出すためには、エクササイズもそれぞれで異なるということになります。なで肩の胸張りエクササイズ
手首をつかむと安定しやすいです
エクササイズ中にもし腕などにシビレを感じたら中止しましょう
口から息をゆっくりと吐くときに、胸郭とともに肩甲骨が下がっていくイメージを描いてください。一度、腕を解いて休憩を入れます。3~5回ほど繰り返してください。
いかり肩の首と肩周りをホっとさせるエクササイズ
呼吸は3回ほど行いますが、連続3回でも、1回毎に休憩してでもOKです
痛みや気分の悪さが無いことを自覚したら、鼻から息を吸い、ゆっくりと口から吐いていきます。
肩に置いた手は、力を入れずに添える程度です
筋肉が硬いうちは、引っ張られる感覚が強いかもしれませんので少しずつお試しください
この時、下げている方の腕の肘を体の後ろへ曲げておくと、肩の位置が安定しやすくなり、筋肉を伸ばすことができます。