受験生は種本(試験委員が問題作成する際に参考とする本)に興味を持ちます。試験委員が問題作成の際に参考にしている本を使って勉強した方が受かりやすいと考えるからです。しかし、試験委員が種本を明かすことはありません。そこで、芦部憲法が行政書士試験の種本かどうかを改めて確かめるとともに、その弱点と効果的な使い方をご紹介します。

行政書士試験の種本?芦部憲法とは

芦部憲法とは、故芦部信喜教授の書かれた憲法の教科書のことです。憲法の基本書(国家試験のために憲法を勉強する本)として定評があり、各種国家試験の種本と評価されています。その『憲法 第6版』が平成27年3月に出版されました。芦部先生が逝去されてからは高橋和之教授が補訂をしていらっしゃいます。

種本かどうか知るために、まずは、過去五年間の憲法の五肢択一式が、この芦部憲法からどれくらい出題されているか、みてみましょう。

五肢の中で特に正解の選択肢に焦点をあてると、平成22年は5問中3問、平成23年は5問中3問、平成24年は5問中3問、平成25年は5問中3問、平成26年は5問中4問が出題されています。トータル25問中16問の出題ですから、64%のカバー率です。

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法律家を目指すのであれば芦部憲法は読んでおくべき一冊です。

数字だけみると微妙な評価かもしれません。「なんだ芦部憲法を全部覚えても満点は取れないじゃないか」という否定的意見もあるでしょう。逆に、「行政書士試験は6割が合格ラインだから芦部憲法で十分ではないか」という肯定的意見もあるでしょう。

ただ、注目すべきは、平成25年問題5選択肢4のように、芦部憲法の記述がほぼそのまま選択肢に使われることがあることです。平成26年問題7選択肢5なども芦部憲法を元にして出題していると評価できます。このように芦部憲法が行政書士試験の種本のひとつであることは間違いないと言えます。