(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)
1960年代のアングラ演劇から現代まで、それぞれの時代を映してきた演劇のポスターが今を生きる私たちに一体何を語るのか……。オープン直前の会場の模様を演劇ガイドがレポートします!
現代演劇のポスターは時代を映す”鏡”
貴重なポスター300点が渋谷に集結!
オープン前日の4月30日、街の雑踏を抜け、渋谷ヒカリエ9FのヒカリエホールAに足を踏み入れると、そこには貴重な現代演劇のポスターが所狭しとディスプレイされていて……その様子はとにかく壮観!と、会場に今回の企画制作を手掛けるポスターハリス・カンパニーの代表、笹目浩之さんがいらしたので、少しお話を伺いました。
ポスターハリス・カンパニー代表 笹目浩之氏(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)
1960年代、アングラ演劇の旗手として時代を席巻した唐十郎さん率いる「状況劇場」のポスターを手掛けたのは世界的アーティストの横尾忠則さん。今回展示されているものの中には200万円程度の値が付くものもあるとか。
「今は劇団って言うより、プロデュース公演が主流になって、出演者で売るって舞台も多くなっている分、ポスターもイラストじゃなくって写真を使う場合が多いんだよね」と語る笹目さん。
そう聞いて会場を周ってみると、確かに90年代中盤辺りから出演俳優の写真を使ったポスターがぐっと増えてきています。
「公演が終わるとそのままポスターを廃棄しちゃう劇団も多いから、こうして所蔵しておくんだよ」。どのポスターも非常に状態が良いのはしっかり保管されているからなのですね。
更に今回は、アングラや小劇場に拘らず、新劇のポスターも展示しているという事で、俳優座の古いポスターに加え、こういう場ではなかなか目にする機会がない劇団四季のポスターも発見! 『エクウス』は市村正親さんがアランを演じた時のものですね……懐かしい!
(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)
当時は、アングラ演劇=最先端カルチャーとして、こういうブランドがスポンサーについていたりもしたのでしょうか。舞台のタイトルは『大山デブ子の犯罪』……アヴァンギャルドです。実際に観てみたかったなあ。