前ページでは、主に「売り手」の視点からスムストックについて言及しました。少し「買い手」の立場に立って少し状況をみていきましょう。その購入者像については年齢では30歳代が40%で最も多く、次いで40歳代(25%)、60歳代(17%)、50歳代(12%)、20歳代(6%)となっていました。

どんな人たちがスムストックを購入しているの?

興味深いのが「当初に探した物件」(表【3】)。「中古一戸建て」が70%と最多となっていたのです。「中古住宅でもいいや」という層が確実に増えてきているわけです。これまでの新築住宅が一番という風潮から、大きな変化が現れていました。
購入者の状況

【表3】スムストック住宅を購入した人の状況。「中古一戸建て」を70%の人が検討していた一方、「中古マンション」は8%にとどまっている(クリックすると拡大します)


そもそも中古住宅の購入には不安があるもの。というのも、不具合の有無や適正価格なのか、購入後のリフォームの金額、耐震性などが分かりづらいためです。

スムストックの評価では、「ハウスメーカー施工の安心感」(67%)、「建物がきちんと評価され、建物価格が明確」(50%)などを評価し、購入に踏み切っているという状況がみえています。

ところで、なぜ今、中古住宅なのでしょうか。総務省の「平成25年住宅・土地統計調査(速報値)」によると、全国に6060万戸の住宅があり、その中で空き家は820万戸存在するとされています。空き家率は13.5%と過去最高となっていました。

これは賃貸住宅などを含んだ数字ではありますが、要するに空き家の拡大を防ぎ、有効活用すべき時代が到来しており、だからスムストック住宅のような中古住宅の活用が求められているわけです。

一方で、住宅の世界には居住のニーズと現実の間にミスマッチが存在します。広い居住面積が求められる子育て世帯が狭い住宅で暮らし、高齢単身世帯は広い家をもてあましているという現状があるのです。

4人以上の持ち家世帯で100平方メートル未満の住宅に住んでいる割合は約29%。かたや65歳以上の単身・夫婦世帯の持ち家は57%が100平方メートル以上だそうです(平成20年住宅・土地統計調査)。

この居住の現実とニーズのギャップを埋めるために、高齢者の広い住宅をリフォームなどで現在のニーズにあったものとし、広く環境の良い住まいとして子育て世帯など若い世代に継承する作業が必要となるわけです。

中古住宅は新築住宅に比べて安価に取得できますし、広さや住環境などを確認してから購入できますから、若い子育て世帯にとっては住宅取得がよりしやすくなるわけです。

なぜスムストックは「優良」といえるの?

ただ、とはいっても中古住宅には耐震性や省エネ性、使い勝手など様々な懸念があります。で、スムストックが、自らを「優良」と称しているのは、住宅履歴データなどを含め、消費者にとって分かりやすい仕組みを構築しているということがあるのです。

シンポジウム

今年3月13日に都内で行われたシンポジウムの様子。ハウスメーカー関係者のほか、国土交通省や学識経験者、不動産事業者などによる活発な意見交換が行われた(クリックすると拡大します)

このあたりをもう少し分かりやすく説明すると、例えば皆さんのご実家(戸建て住宅)をイメージしてください。もしかしたら、それを建てた住宅会社は今はもう残っていないということがあるのではないでしょうか。

この場合、売却することは別として、仮にリフォームをして皆さんが受け継いで住むとしても、耐震設計を改めて行う必要が出てくるなど大変になります。設計図が必ずしも残っているわけではないから。

ハウスメーカーですと、設計図を彼らが残しており、ここ30年くらいの建物ですといつ点検を行い、どのような補修やリフォームをしたか情報を残していますから、一般的な住宅と比べ安心感があります。このあたりが「優良」というわけなのです。

さて、今回は大手ハウスメーカーによる中古住宅への取り組みについてご紹介しましたが、国では「長期優良住宅化リフォーム推進事業」など、より良い中古住宅を流通させるための取り組みを実施しています。また、中古住宅の取得とリフォームを一体で行える住宅ローンなども登場しています。

ですので、今後は住宅取得にあたって中古住宅がより身近な選択肢になるはずです。その最先端の取り組みといえるのがスムストックなのです。
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