今回は猫にとって、同居人にとっての理想の猫トイレと猫砂について考えてみました。
猫のトイレ習性
いま、私たちの身近にいる猫(イエネコ)の祖先はヤマネコの1種、リビアヤマネコだといわれています。アフリカ北部や中近東、アラル海までの西アジアに広く生息するリビアヤマネコは、砂地ややわらかい土、枯れ葉などに覆われた地面を前足で掘り返し、そこで排泄し、掘り返したものをかけ、ニオイを消すというトイレ習性を持っています。野外で暮らす猫たちは、毎回同じ場所でトイレをせず、自分のニオイを拡散するために寝床から離れた場所や水辺を好む傾向が強いようです。なぜ、猫の排泄物は臭うのか
充分な水分補給が難しい砂漠地帯で進化してきたネコ族の腎臓は、フル回転の稼働を余儀なくされてきました。少量の水分は濃縮され、非常に濃い尿として排出されるので、アンモニア臭は当然きつくなります。また猫は、小動物や鳥類をまるごと食する完全肉食獣であるため、排便のニオイも強くなります。このように、身体はセルフグルーミングで清潔に保たれ、ほとんど体臭が感じられない猫ですが、排出物はかなり強烈なニオイを発します。
トイレトレーニング中のキジちゃんと黒くん
猫にとって嬉しいトイレとは
猫にとって理想のトイレ数は猫の数プラス1個といわれています。猫はとてもニオイに敏感な動物なので、汚れたままのトイレを嫌います。同居人がどれだけの頻度で猫のトイレ清掃ができるかにもよりますが、猫によっては、このトイレではオシッコだけ、もう1個のトイレではウンチと使い分けたりするので、やはり余分なトイレがある方が猫には嬉しいでしょう。子猫時代は膀胱が小さいのでトイレの回数が多く、子猫が長時間生活するスペースには複数のトイレがあるとベストです。そして、成長と共に、例えば人間用のトイレ、洗面所など同居人が本来トイレを設置したい場所に少しずつトイレを移動し、誘導します。
猫が出入りできる場所であれば、どこにトイレを置いても構いませんが、猫の希望は、静かで人の行き来が少なく、柱や家具の陰など、落ち着いて用が足せる場所です。階段下や洗濯機の横など、振動を感じそうな場所は避けてください。
トイレ以外での粗相には、何かしら原因があります。その原因の1つとして、トイレに入っているときの不愉快な経験が考えられます。トイレをしているときは1番無防備。もし最中に物が落ちたり、大きな音がしたりという経験をすると、猫は不愉快な出来事をトイレと関連づけてしまいます。猫の性格によりますが、とても気にする猫もいるので、猫がトイレを使っているときは大きな動作や、物音を立てない方が無難です。
人間にとって嬉しい猫のトイレとは
暮らしの中で猫のトイレに求めるものは、人によって違うでしょう。1番重要な決め手は、猫がそのトイレを気に入って使うかどうかですが、2番目はニオイがしにくい、砂の飛び散りが少ないなど、同居人のライフスタイルによって、また猫の頭数やその猫のクセなどによって変わってきます。鉱物系や、紙、木などを原料とする細かい粒の固まる砂は、もともと猫が野生時代にトイレとして使っていた砂や土の感触に1番近く、猫が違和感なく使いやすい素材です。しかし、それらの素材の弱点は埃と砂の飛び散りでした。
「ニャンとも清潔トイレ」が発売されるまで、鉱物系の固まる砂を使っていた我が家は、飛び散りと埃に悩まされていました。当時は大型の長毛猫を多頭飼育していたので、猫がトイレに出入りするたびに砂が飛び散り、砂をかけばもうもうと砂埃が立ち上がり、朝晩拭き掃除をしても家具に白い埃が……。1日中掃除機が出っぱなしで、それを見るだけでもストレスでした。
ニャンとも清潔トイレと大きめの粒に出会って、一気に解決!
砂の袋を開けたときのヒノキの香りも好みですし、埃が立たず、たとえ散らばっても指でつまめる大きな粒、そしてオシッコが下のマットに透過するのですぐに片付けなくても良いなど、本当に便利なトイレに大助かりです。木のチップとマットのおかげで、ニオイはほとんど気になりません。しかし、幼い子猫が使うには粒が大きすぎて、なかなか上手に砂がかけません。また子猫はお腹の調子を崩しやすいので、軟便になると大きめの粒をごっそり捨てなければならず、経済的にもダメージ。しかし、子猫でも使える細かい粒の砂と子猫用の小型トイレが発売されて、これも解決。
生後2ヶ月近くなると大きめの粒の砂でも大丈夫
ニャンとも清潔トイレに成猫用スタートセットが仲間入り
新登場のニャンとも清潔トイレ成猫用スタートセットはシンプルな箱形で、ボックスタイプのすのこ部分とその受け皿の2つのパーツのみ。成猫用スタートセットに付いているのは、極小の粒のチップです。新デザインのボックスタイプは、そのまま丸洗いすることができるので、清潔に使えてお手軽。いままでの大きなチップだと猫が使いたがらないだろうと、切り替えに二の足を踏んでいたオーナーさんも、極小の粒なら使ってくれるんじゃないかと気軽にトライできます。
新デザインのスタートセット内容
新デザインのスタートセットを置くと早速使ってみる成猫の宝君
子猫がトイレを使えるようになるまで
保護猫の新しい飼い主探しをしている我が家に、3月31日にやってきたのはキジの女の子と黒の男の子。きょうだいは推定生後10日前後で、やっと目が開くか開かないかという時期でした。生後10日前後のキジちゃんと黒くん、目が開いたばかりです
生まれてから3~5週齢は子猫にとって赤ちゃんの時期。この期間は、お母さん猫のおっぱい、または子猫専用のミルクだけで成長します。生後3週頃から歯が生え始めると徐々に離乳がスタート。
ミルク飲み期の子猫は、お母さん猫がお尻まわりを舐めることで排泄が促されます。お母さん猫が排泄物をきれいに舐めとるので、健康な母猫がいる寝床はニオイは少なく、とても清潔。そんな面倒見の良いのお母さん猫がいない赤ちゃん猫は、人が授乳前後にティッシュペーパーなどでお尻を軽くぽんぽんと叩いて、オシッコやウンチを出させます。
子猫の離乳が始まり、お乳以外のものを口にし始めると、お母さん猫は子猫のお尻の世話を放棄し始めます。その頃には、子猫の足腰もしっかりし始めて、ぎくしゃくながらも歩いたり動き回るようになってきます。
そのタイミングで子猫が出入りできる高さのトイレを用意し、トイレトレーニングをスタート。子猫をトイレに連れて行き、前足で砂をかかせ、砂の感触を覚えさせます。このきょうだい猫もミルクを飲ませた後、離乳食を食べた後、お昼寝から起きた後など、タイミングを見計らって数回トイレに連れて行くと、2~3日で上手にトイレが使えるようになりました。
最初は極小の粒でスタートしますが、これから徐々に小さめの粒、大きめの粒を混ぜながら、最終的には大きめの粒のトイレが使えるようにします。やわらかめのウンチが多い猫ちゃんや、ウンチのニオイが気になるご家庭では、素早くウンチを覆い隠す極小の粒と大きめの粒をブレンドして使うと良いかもしれません。
猫砂に3タイプのバリエーションが広がったことで、ますます使い勝手がよくなったニャンとも清潔トイレ、ぜひ店頭で商品をお確かめください。
ニャンとも清潔トイレの3種類の砂
3月31日に入園したキジちゃんと黒くんの兄弟