スイスアルプスで行うハイキングが人気の理由

スイス人はハイキングが大好き。天気の良い日には老若男女がスイスアルプスを自分の足で楽しむ

スイス人はハイキングが大好き。天気の良い日には老若男女がスイスアルプスを自分の足で楽しむ

緑の牧草と可憐な高山植物。その先には白い頂きの山々が連なるスイスアルプス。日本から毎年おおぜいの観光客が、スイスの名峰を見上げながらハイキングを楽しんでいます。今から30年程前までは、スイス旅行と言えば登山電車やロープウェイに乗って忙しく展望台を往復するだけ。「スイスにまで来てのんびり歩く人などいない」と考えられていたものでした。それが今ではスイスでハイキングは、ごく当たり前の楽しみ方になっています。一般的なコースなら、地図を片手にガイドなしで歩くことも十分可能。ここでは、スイスアルプスでハイキングする魅力を紹介しながら、これほどまに人気が定着した秘密を探っていきます。

スイスアルプスでハイキングを行う魅力とは

牛と一緒に写真に写るのもハイキングの楽しみのひとつ

牛と一緒に写真に写るのもハイキングの楽しみのひとつ

九州ほどの小さな国土に合計約6万キロのハイキングコースがあるスイス。地球一周の距離が約4万キロなので、いかに多くのハイキングコースが張り巡らされているか想像できるでしょう。

ほとんどのコースは整備され、見晴らしの良い地点にはベンチが置かれています。主な分岐点には標識が立てられ、地図を片手に現在地や目的地までの所要時間が確認できるようになっています。

自分の足でゆっくり歩きながら、スイスアルプスを肌で感じてみましょう。カラン、コロンと風に乗って聞こえてくるのは、草を食む牛が首に付けるカウベルの音。足元には、可憐な高山植物が咲き誇る……単に見るだけではなく、五感を使ってスイスの山を体験しましょう。乗り物の中では決して味わうことのできない魅力が、ハイキングには一杯詰まっているのです。

 

山の交通機関

ブリエンツ・ロートホルンではSLが山の交通機関として運行(夏季のみ)

ブリエンツ・ロートホルンではSLが山の交通機関として運行(夏季のみ)

スイスのハイキングコースがこれだけ発達したのは、網の目のように張り巡らされた山の交通機関のおかげとも言えます。登山電車やロープウェイで、簡単にハイキングの出発地点に移動し、景色の良い部分を選んで歩くことが簡単にできるのです。

山頂を目指して視界の良くない林道を黙々と登る……といったスタイルは、スイスではあまり一般的ではありません。登山電車やロープウェイで上がり、いきなり展望の良い場所からスタート。ゴール地点からやはり乗り物で宿泊地まで戻る、というのが基本。いわば「一番おいしい部分だけを選んで歩く」というわけです。

足にあまり自信がない人は、標高差のなるべく少ない、1~2時間程度の初級者向きコースを選びましょう。途中で疲れたら、山のレストランで一休み。天候が悪くなれば、途中から登山電車を利用、などといったことも可能です。

しっかり歩きたい人には、一日かけて歩くロングコースや、山岳ガイド付きの氷河トレッキングなど、多彩なバリエーションが揃っています。