小学校/小学校のお友達関係

1年生になっても、友だち100人できなくていい(3ページ目)

友だちとの関係は、学校生活の楽しさを左右するファクターのひとつ。新入学やクラス替えの季節、子どもに友だちができるかどうかは、親としても気になるところです。しかし、「たくさん友だちを作ること」は、子どもが目標にすべきことなのでしょうか。

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

すぐに手が出る、戦士の場合

ぞうきんがけ

誤解されることの多い子どもは、周りに個性を理解してもらうことが大切です。

乱暴な子は、友だちから距離をおかれがちです。叩かれると痛いし、こわいからです。でも、本人にはあまり自覚がなかったりします。本人は友だちだと思っていても、相手からはそう思われていなかったり。下手すると、いじめの加害者として認識されていることも。

かんしゃくを起こしがちな子どもの場合は、自分の思い通りにならないことへの耐性が低く「これくらい許してもらえるだろう」という甘えや期待が強いもの。家庭の中に「子どもはやんちゃなくらいがいい」といった、暴力を容認する価値観がないかどうか、検証してみましょう。

「言い訳するな」と頭ごなしに叱られていると、子どもは「言葉の力」を信じなくなっていきます。子どもの問題行動には、必ずその子なりの理由がありますから、子どもの思いや言い分は必ず聞くようにしましょう。「その時、どんな気持ちだったの?」と問いかけることで、子どもは自分の気持ちに気づいていきます。気持ちに気づけば、よりよい方法での対処を選べるようになります。

次の行動が予測できない、魔法使いの場合

得意不得意が極端だったり、こだわりが強かったり、注意が散漫だったりする子どもの場合、突発的な出来事にうまく対応できないことがしばしば起こります。親はこれまでの育児の中から、「こうした場面が苦手」とか「こうすればうまくいきやすい」というノウハウを得てきていると思いますので、それを担任と共有しておきましょう。

子どもは大人に比べて、多様性を受け入れる柔軟さをより多く持っているものです。友だちの中で浮いてしまう前に、担任からクラスの子どもたちに、その子の特性を伝えてもらいましょう。近くの席の子どもたちが、自然にフォローしてくれるようになるでしょう。

「周りの子と同じ」である必要など、ないのです。自分の子に特別に配慮してもらうことに気が引けてしまう親も多いようですが、得意不得意の揺れ幅が大きいだけだと理解してもらえれば、子どもの「いいところ」も見つけてもらいやすくなります。また、いろいろな個性があると知ることは、クラスの子どもたちにとっても、これからの人間関係のベースとなる、大きな学びとなるのです。
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