学校という「未知なる冒険の場」を進む、勇者の場合
素直な気持ちを伝えられるかな?
子どもにとって、学校というのは「未知の世界」です。引っ越しと同時に入学したり、クラスに同じ保育園や幼稚園の子がいなかった子どもの場合は、誰ひとり知らない新しい環境に放り込まれるわけです。不安が強いのも当然のこと。だからこそ、早く友だちができてほしいと思うのは親心ですが、あまり焦らないようにしましょう。
勇者タイプは、情報収集に精を出し、周りの状況をよく観察して慎重に歩を進めます。よりよいパートナーを見つけるため、相手を吟味する時間が長いのかもしれません。しかし、一歩近づいてみなければ、相手のいいところが見えてこないこともあるものです。子ども自身の「友だちハードル」が上がっている場合は、「なんとなく一緒にいる」「誘われたら、なるべく断らない」といったことの後押しも有効かもしれません。
アンテナの感度がいい分、友だちの何気ない一言に傷ついたりするのもこのタイプ。しかし、相手は自分が言ったことを覚えていないことも。相手から何もなかったかのように声をかけてこられることに戸惑ったりします。そうした出来事を親がキャッチできたなら、「我慢して流す」ことを覚えさせるよりも、「あんなふうに言われたのはイヤだったよ」と相手にサラリと伝えることを提案してもいいかもしれません。相手の反応がどうあれ、気持ちを伝えられたことを評価しましょう。それは「自分の気持ちを大切にできた」ということなのですから。我が道を行く、賢者の場合
人間関係より、物事への興味が強い賢者の場合、友だちづくりに対する動機が希薄です。友だちの名前すら覚えていないこともしばしば。親としては「この先、大丈夫かしら」と不安になってしまうこともあるかもしれませんが、大丈夫です。このまま我が道を進ませましょう。賢者タイプは、人より遥かに優れた好奇心と探究心を持っています。キラリと光るその個性は、周りの友だちから一目置かれるようになることでしょう。1日中、自分の好きなことに思いを馳せられるのは、子ども時代のごく限られた期間だけ。大人からすると「何が楽しいのかしら」と思ってしまいがちですが、一見無駄に見える時間の中に、たくさんの学びが詰まっていることは少なくありません。
友だち関係に困っていない様子であれば、その子にとって「最適な環境」を自然と構築できているのかもしれません。ひとりでいられる子は、強いです。友だちとのトラブルが起こっても、ひとりでいることを楽しめると、ほとぼりがさめるまでの時間に自分を責めなくていいからです。
>> 「すぐに手が出る、戦士」と「次の行動が予測できない、魔法使い」の場合