「シンガポールの宝」が生み出す中東風カフェご飯
「料理は愛」と語るビョルンシェフ
ブランチは、早い時間の屋外席なら予約なしで当日入れる場合も
ギリシア人のヘッドシェフが率いるそのレストランでは、オーストラリア料理をバクラバやムサカ風するなど、中東風のアレンジを加えて提供していたのです。また、同僚もトルコやレバノン出身で、まかない料理としてそれぞれの国の料理を教えあう中で、自然に中東の食文化を知っていったといいます。また、元々オーストラリアでのルームメイトがイラン人で、彼のお母さんがやってくる度に、伝統的な中東料理を知ろうと、市場について行くことから始まり、一緒に料理をしながら学んだとか。
カウンター席、テーブル席ともにあっという間にいっぱいに
特に人気なのは、シンガポールのベストブランチにも選ばれた、週末のみ行われているブランチ。早めの時間に並べば、運が良ければ食べることができますが、2週間前の予約がおすすめとか。オープン前には、すでに20人ほどの行列ができていました。
シンガポールのベストブランチを味わう
中東風のサンドイッチをアレンジした、カリフラワーサビフ
Cauliflower Sabbich(22シンガポールドル)と、House-made Feta Burrata(23シンガポールドル)をいただきました。
野菜がたっぷり食べられるカリフラワーのサビフ。サビフとはもともと中東で食べられている、ピタパンに揚げたナスと卵を挟んだサンドイッチのような軽食です。
中東料理、ではなく、新しい解釈を加えた中東風の料理
中東風のヨーグルトチーズ、ラブネ(labneh)と、シンガポール人の大好きなトリュフで味付けした、タヒニ(tahini)というゴマペースト、フムス(hummus)と呼ばれるひよこ豆のペースト、そしてたっぷりの野菜とハーブがアクセントになっています。スモークした卵は、割ると中が半熟で、とろりとした黄身が濃厚。そして、何よりもカリフラワーが美味しいのです。表面がほのかにキャラメリゼしたようになっていて、野菜が嫌いな人でもきっと食べられてしまうのではないかと思える香ばしさ。みずみずしいミニトマトのすっきりとした酸味、そしてコクのあるヨーグルトとゴマ、ひよこ豆のソースもたっぷり。表面をさっくりと焼き上げたピタパンとの相性も抜群です。
クリーミーなブッラータチーズがたっぷり
このブラッターチーズが載った一品で、おすすめなのが、トルコ風のパンにキャラメリゼしたベビーコーン、オーガニックトマトとともに盛り付けられたサラダ。バジルのソースがかかっています。自家製のブッラータチーズは、イタリアのもののように、中からじゅわっとクリームがあふれるわけではありませんが、味はまさにあのクリーミーなブッラータチーズ。自然な甘みのトマト、キャラメリゼされて、更に甘みが強調されているベビーコーン。散らされているザクロの実が、甘みと酸味、プチプチとした食感をプラスしています。
何よりも、火の入り方が素晴らしく、シンプルながら、甘みと酸味、コクのバランスなど、あるべきものが、あるべき味でまとまっている、バランスの良いお店です。
大人気のオリジナルアイスクリーム
色鮮やかな見た目も楽しいアイスクリーム
すぐ隣のアイスクリームの店舗も行列
ディナータイムはケバブや肉のロースト、エビの串焼きなどしっかりしたメイン料理が中心のメニュー構成になっています。
先日京都を旅行で訪れたというビョルンシェフ。「日本風にアレンジした料理は作らないのですか?」と聞いてみると、「京都から帰って来てすぐの時は、刺身や大根とゆずの漬物をメニューに載せたけれど、日本料理はとても精緻、シンプルだからこそ難しい。しばらくはないかな」ということでした。
また、「美味しい料理を作るには?」という質問には、「愛」と即答。「何に対する愛ですか?」と聞けば、「自分がやってることに対する愛だよ。同じ材料で分量で、タイミングで作っても、味って作る人によって全然違うでしょう?その違いが、愛なんだと思うよ」。ビョルン氏の料理に注ぐ深い愛が生み出した味、ぜひ味わってみてくださいね!
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■Artichoke
営業時間:ブランチ 11:30~15:30(土曜・日曜)、ディナー 18:30~22:30(火曜~土曜)、月曜休
住所:161 Middle road, 188978
電話: +65 6336 6949
アクセス:MRTブギス駅徒歩8分