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2014年度、好成績の日本株投信は?

日経平均株価は15年振りに2万円台を回復しました。日本株は堅調に推移していると言えますが、過去1年、個人投資家が資産を大きく増やしたという話をあまり見聞きしません。株価が上昇して個別株投資が難しくなった今、銘柄選択に自信がない人は、投資信託を活用したほうが無難なようです。昨年度、どんな日本株ファンドが好調だったのか見てみることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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上昇率トップは中国A株ファンド

2014年度、1年間の日経平均株価の上昇率は29.5%でした。TOPIX(東証株価指数)は、同28.2%、JPX日経400指数は同28.7%と、軒並み3割近い上昇となりました。単純な指数の上昇ですから、配当金含めれば30%を超える上昇率となったと考えられます。

単純に株価指数に連動する投資信託やETFを保有していれば良かったと言えますが、リスクを取って運用するのだから、市場平均以上の収益を期待したいという投資家も多いはずです。そこで、2014年度はどんな日本株投資信託の運用成績が好調だったのか見ていくことにしましょう。

その前に、ETFを除く全ての投資信託を対象にした2014年度の上昇率のトップは、上昇率110.34%、日興アセットマネジメントが運用する「日興AM中国A株ファンド」でした。昨年度後半以降、金融緩和などを背景に中国A株市場が急騰したことが、その要因と考えられます。上昇率のトップ3 は全て中国A株を投資対象とする投資信託でした。

リスクを取れるならブル型の高倍率タイプ

解説が横道にそれたので日本株に戻したいと思います。ETFを除き、日本株型投資信託のジャンルを問わない上昇率のトップはレバレッジを活用した「ブル・ベア型ファンド」。第1位は、上昇率101.80 %、SBIアセットマネジメントが運用する「SBI日本株トリプル・ブルベア(ブル)」でした。同投資信託は、日々の基準価額の値動きがわが国の株式市場全体の値動きに対して概ね3 倍程度となるように運用されている商品です。

上昇率の上位には、ブル・ベア型ファンドの3倍、2.5 倍の投資信託となっています。昨年度には、野村アセットマネジメントからは、概ね3.5倍の値動きが期待できるタイプ。SBIアセットマネジメントからは、概ね3.7倍の値動きが期待できるタイプが新規設定されています。

今後も日本株の上昇を予測する専門家が多く、指数の上昇が期待できることから、ジャンルを問わず、また積極的にリスクを取れるのであれば、素直にブル3.5 倍や3.7倍に投資すればよいと思われます。

通貨選択型にも好成績タイプが

レバレッジを活用したブル・ベア型タイプを除くと、健闘しているのが日本株の通貨選択型タイプです。通貨選択型では上昇率56.45%、野村アセットマネジメントが運用する「野村日本ブランド株投資(通貨選択型)アジア通貨コース(年2 回決算型)」です。

同投信は、「日本ブランド株投資」という名称が付いているものの、銘柄選択に特徴があることは目論見書に記載されていません(わが国の株式を実質的な主要対象と記載があるのみ)。通貨選択型を前面に出している投資信託と言えそうです。アジア通貨とは、保有する円建て資産を中国、インド、インドネシアの3 ヵ国通貨を3 分の1 程度ずつ各通貨の価格変動にさらされることになります。

日本株を投資対象とする通貨選択型では、米ドル、インドルピーを選択した投資信託の運用成績が相対的に他の通貨よりも高かったようです。

ブル・ベア型、通貨選択型を除いた日本株ファンドのトップは、上昇率53.51%の大和証券投資信託委託の「ジャパン・エクセレント」でした。同投信も、際立った銘柄選択に特徴があるわけではありませんが、強いていえば大型の値がさ株、言い換えればGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などが好んで投資する銘柄を中心に投資されている点と言えそうです。

昨年度は、GPIFを中心とした官製相場と言われ、個人投資家好みの小型株や新興市場株が相対的に低迷したことから、大型株を投資対象とする投資信託、ブル・ベア型ファンド、米ドルやインドルピーなどの通貨選択型が好調だったようです。今年度も官製相場が続くと予測されていることから、通貨選択型を除けば昨年度の好成績ファンドが今年度も好調を持続する可能性が高いかもしれません。

迷ったら素直に日経平均株価、JPX日経400指数連動のインデックスファンド、リスクを取れるなら先にも述べたように、レバレッジを活用したブル・ベア型ファンドの「ブル」タイプへ投資しておけば間違いないのかもしれません。個人的には、アクティブ型の日本株ファンドに頑張ってもらいたいですが……。
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