旧吉田茂邸のオープンなど、今、大磯に注目!
大磯灯台と海
今回の「日帰り旅行」は神奈川県の海辺の町、大磯町へ。大磯は東京駅からJR東海道線でおよそ1時間ほど。
「NPO法人 大磯ガイドボランティア協会」の武井さん
また、大磯は歴代総理大臣のうち8人が居住し、政界、財界の大物たちが別邸を構えた町でもあります。大磯の何が彼らを惹きつけたのでしょうか? 町を散策して、その魅力を探ってみましょう。
なお、大磯では、2009年に原因不明の火災で焼失した旧吉田茂邸の再建工事が進められ、2017年4月にオープン予定。戦後復興の立役者の邸宅ということもあり注目を集めています。
今回の旅の案内人は、「NPO法人 大磯ガイドボランティア協会」の武井さんです。
本記事は、2015年に執筆したものをベースに、旧吉田茂邸に関する情報などを新たに追記しました。
JR大磯駅からスタート!
大磯駅のホームにおり立ったら、まず注目して欲しいと武井さんがいうのは、他の駅には必ずといっていいほどある、広告の看板類がホームにないこと。瀟洒なデザインの大磯駅
大磯は、かつて伊藤博文をはじめとする明治の元勲たちが住んだ土地柄。そのため、大磯駅には、貴賓用の入口や貴賓室が設けられました。
元勲たちも利用する大磯駅に広告を表示してはならないという伝統が生まれ、それが、JRになった今でも変わらずに受け継がれているのだそうです。
「海内第一避暑地」と刻まれた石碑
改札を出て、右に目を向けてみると、「大樹」をイメージしたモニュメントの下に、大きな石碑が立っています。
この「海内第一避暑地」と刻まれた石碑は、明治時代に俳人・正岡子規も籍をおいた『日本新聞』が、「避暑地はどこが良いか?」を一般に募集したときに、大磯が一番の避暑地に選ばれたのを記念したもの。
「大磯」イコール「避暑地・別荘地」というイメージは、この時代の人々の共通認識だったようですね。
また、避暑地の石碑の隣には、2016年2月に除幕式が行われた「湘南発祥の地」の石碑が立っていますが、大磯が「湘南」という地名の発祥の地であることについては、後述します。
クラフトセレクトショップ『つきやま』へ
それでは散歩を開始しましょう。駅に向かって左手の方へ、線路に沿って歩いて行きます。少し、行くと『三引屋』という和菓子屋さんがあり、その先を左に曲がると、右手に古民家を改装した『つきやま』というお店があります。
古民家を改装した『つきやま』店内
『つきやま』は、2014年6月にオープンした、クラフトセレクトショップ。月一回、大磯港で開かれる「大磯市(おおいそいち)」に作品を出品している湘南在住の作家、約30名が、作品を展示・販売しています。
春から秋にかけて大磯に飛来する「アオバト」をモチーフにした作品も
作品は、木工品、紙細工、ガラス細工、手芸品、古道具など、さまざま。
お店の建物は、かつて、吉田茂の番記者が足繁く通う居酒屋で、その屋号が『月山』だったのだそうです。その居酒屋の屋号をひらがなにして、引き継ぎました。
居酒屋が廃業した後は、しばらくの間、民家として使われていたそうで、裏庭には、「離れ」の風呂場として使っていた建物も残っています。
GALLERY 風呂場
この「離れ」は、現在、ギャラリーとして使われており、その名も「GALLERY 風呂場」。さまざまな企画展などを行っています。
<DATA>
■つきやま
住所:神奈川県中郡大磯町大磯1156
営業時間:11:00~17:00
定休日:毎週月曜日
フェイスブックページ:つきやま Arts & Crafts
次のページでは、大磯が【湘南発祥の地】とされる理由に迫ります!