クラシック/クラシックおすすめ新譜CD

2015年4月の、クラシック音楽のおすすめ新譜CD(3ページ目)

2015年4月のオススメはこれ! クラシック音楽の新譜CDの中からレコード会社が自信をもってオススメするアルバムをセレクト&オススメコメントをもらい、更にガイド大塚が聴き手としての感想をつけて紹介します。

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

フレイ(ピアノ) シューベルト:幻想曲集

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■レコード会社からのオススメコメント
ピアノ界のカリスマ貴公子、ダヴィッド・フレイによる、エレガントかつスタイリッシュな天才ピアニストのシューベルト。その端正なルックスとは裏腹に、独特の音楽的解釈と演奏時のエキセントリックな弾き方も常に注目の的で、その様子から、グレン・グールドと比較されることも多々あり、“同世代の中で最も魅力的かつ独創的なバッハ弾き”とも評されています。このシューベルトでも、高度な技術と芸術性の高い演奏を披露しています。

■ガイド大塚の感想
実に粋な演奏。ジャケット写真のイメージと同じなのだが、21世紀に撮られたモノクロームの映画のような印象。全くもって古いものではないのだが、日常をどこか距離をもって眺めるような感性に貫かれている。過剰ではなく、日常のふとした一瞬、しかしそれとて二度と同じものは訪れない一瞬をそのまま描くような場面が多々あり、その感覚と美学には本当に驚かされる。師ジャック・ルヴィエとの流石に息の合った連弾で聴かせる極めて優しい響きも心に残る。
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リシッツァ(ピアノ) プレイズ・フィリップ・グラス

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■レコード会社からのオススメコメント
インターネット上でのリストやラフマニノフ等の熱演ほか多彩な活動で、現在最も注目を集めるピアニストの一人、ヴァレンティーナ・リシッツア。前作のマイケル・ナイマンに引き続き、今回もミニマルの世界でさらに歩を進めて、グラスの代表作とも言える「めぐりあう時間たち」を中心に、初期の作品から「ミシマ」のサウンドトラックの1曲まで、様々にきらめく音楽を魅惑的かつ刺激的に聴かせてくれます。

■ガイド大塚の感想
左手のボリュームを極端に下げるなど強弱のメリハリをつけることにより、オリジナルの演奏よりも柔らかく、ぼぉっと想いのようなものが大気のように囁きかけるような演奏。深い呼吸というか。モノクロームの過去を追憶するような感覚がある。元々グラスの曲は詩情があるが、これは格別。ちょっとセンチメンタルになりたい夜に最高の友となる演奏。


ブラス・プリンシパル・ジャパン ガブリエリの饗宴

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■レコード会社からのオススメコメント
東京都交響楽団、読売日本交響楽団、NHK交響楽団の首席トランペット奏者、首席トロンボーン奏者が大集合。金管楽器の名手たちがオーケストラの垣根を越えて、輝かしいアンサンブルを奏でます。充実のサウンド、完璧なアンサンブル、圧倒的なパワーで参考CDとしてはもとより、ガブリエリの新たな魅力を掘り起こし、音楽的にも豊かな作品集となりました。ワールド・クラスの金管アンサンブル、ブラス・プリンシパル・ジャパンの発進です。

■ガイド大塚の感想
黄金に輝く絢爛豪華な響きに満ちている。個々の技術はもちろん、ハーモニーがばっちり決まって気持ち良い。また、ガブリエリ作品が内包する憂いというか、畏怖のようなものもわずかに香る。大音量で聴きたい1枚。
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クナッパーツブッシュ(指揮) ウィーンの休日

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■レコード会社からのオススメコメント
軽快な中にもクナ独特の歌いまわしが光る、珠玉のアルバム。発売以来ロングセラーの名作を再発売! 本来は軽快な音楽であるこれらの曲がクナの手にかかると、濃厚かつ熱い音楽が奏でられています。今回、アナログマスターから新規でCDマスター音源を制作。また、新規で吉田光司氏による序文解説を掲載しました。

■ガイド大塚の感想
クナの代表盤というだけに留まらず、人類の音楽遺産とでも言うべきもの。特に弦のもう失われたようなレトロな、毛布のような肌触りの音が心地良い。例えばニューイヤーコンサートのアンコールで有名なラデツキー行進曲など、リズムが立っていたり何度聴いてもビックリさせられるが、そんな茶目っ気のようなものもクナらしく、楽しい。
タワーレコード


フラグスタート、ニルソン(ソプラノ) ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集、「トリスタンとイゾルデ」抜粋、他

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■レコード会社からのオススメコメント
20世紀を代表する2人のワーグナー・ソプラノが、それぞれクナ&ウィーン・フィルと共演した盤を1枚に収録。ジャケット・デザインにも使用しているフラグスタートとの1956年のステレオ初期の共演盤と、ニルソン41歳という絶頂期に録音された「トリスタン~」抜粋です。音質的にも素晴らしい指揮者クナッパーツブッシュの偉大な遺産です。

■ガイド大塚の感想
フラグスタートとその後継である二ルソンという歴史的ワーグナー・ソプラノ2人なわけだが、声の強靭さなど、失われた芸術という感じの凄まじいもの。伴奏はこれまたもはや現れることがないと思われる、自然で巨大な音楽のクナだけに、一瞬にして異界に連れていかれる。
タワーレコード


ということで、交響曲から室内楽から再発ものまで注目の新譜を紹介しました。気になったものを聴いていただけたら幸いです。
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