ルール違反
初期の『相棒』、シーズンごとの最終回は特命係も番組自体も来年に続くのかわからない状況がスリリングでした。しかし最近は「人気番組だし間違いなく続くよね」と思われています。あの結末は、また緊張した状態にもどしたかったんでしょう。それを考えても今回の卒業方法は反則です。ああするのならば、もっと早くからネタをふっているべきです。「ダークナイト事件」が初めて起きたのは2013年8月。2013年10月に始まった『season12』で事件に少しでも触れていれば、以前から卒業方法を考えていたんだなと納得できます。
しかし実際は最終回になって杉下右京(水谷豊)が説明的セリフでこれまでのダークナイト事件を解説するという、最近になって思いついたとしか思えない展開。またそこにいたった享の心情は右京と警察次長で亨の父・甲斐峯秋(石坂浩二)の会話でこれも説明的に語られます。
全体に無理のある展開です。
『BORDER』では
思い返すと昨年4~7月期放送の『BORDER~警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』も同じような結末でした。こちらは、最初から結末にむけて突き進んでいたように思え、納得できました。やはりしかるべき伏線は必要です。ところで『BORDER』はテレビ朝日も小栗旬も続編に前向きだったはずですがまだできないんでしょうか。女優一番手だった波瑠が秋から朝ドラ『あさが来た』のヒロインに決まったので、スケジュールが難しいような。
東映の十八番
相棒卒業も三回目。二回目までは「初代相棒の亀山薫(寺脇康文)に匹敵するような相棒を探している」のかと思っていましたが、三回目ともなるとそうではないことに気がつきました。右京が不動な分、変化をつけるために相棒を代えているのでしょう。この手法の原点は同じ東映制作の『仮面ライダー』。『仮面ライダー』の中で、1号から2号に変わり、さらに『V3』『X』と次々と新しいライダーと続編をつくりヒットした成功体験にあると思います。
1号から2号に変わったのは仮面ライダー1号・本郷猛役の藤岡弘、が撮影中の事故で負傷し、出演継続ができなくなったため。急場をしのぐために降板・代役ではなく1号は海外の敵を追っていったことにして、2号・一文字隼人(佐々木剛)を登場させました。この設定により、1号・藤岡弘、の復帰後も、2号ライダーがスペシャルゲスト的に登場。これが大いに盛り上がったことによりシリーズ化となりました。まさにケガの功名。
次は「広がるシリーズ化」