ポイント1:読み手の膝の上や傍らなど近い距離で読もう
絵本は肌が触れ合う距離で読まれることを前提に作られています
また、近い距離で読み聞かせをすると聞き手の反応がとてもよくわかります。「子どもたちが楽しんでいるのか、そうでないのか」あるいは「どんなところに関心を持っているのか」などが手にとるようにわかるので、絵本を通じて親子の会話がはずみやすく、コミュニケーションツールとしての絵本の力を充分発揮させることができるのです。
ポイント2:大好きな人の生の声で読もう
子どもはお父さんやお母さんが大好きです。そんなお父さん・お母さんはもちろん、祖父母や園の先生などお子さんが信頼を寄せている人の生の声で、絵本を読んであげて下さい。大切なのは大好きな人の生の声。CD等は生の声の代わりにはなりません
そんな時、一緒に物語の世界を旅するのが信頼できる大人なら、子どもたちは安心して絵本の世界に没頭できます。現実の世界なら恐れをなすような出来事へも、大好きな人がお話を読んでくれる幸福感や安心感を糧に、果敢に挑戦してゆけるのです。これは子どもにとって何物にも代えがたい経験(疑似体験)になります。
どれほど上手な読み聞かせであっても、有名俳優のおはなしCDなどが、お父さんやお母さんの生の声の読み聞かせにかなわないというのは、このような理由からなのです。
ポイント3:うなずいたり相槌をうったりして聞けるように読もう
幼稚園や保育園で絵本を読んでもらう時、どうしても「静かに聞きましょうね……」ということになってしまいます。これは団体生活の中でのことですから仕方ありません。でもご家庭で読み聞かせをする時は、「最後まで静かに聞くこと」にこだわりすぎないようにしてください。むしろ、うなずいたり相槌をうったりしながら聞けるようにすることが大切です。思わず「え~?」と声を出したり面白い場面では大声で笑ったりして良いのです。絵本を通して新たな会話やコミュニケーションが生まれます。会話は言語力を伸ばすためになくてはならないものでしたね?!
大勢を対象にしたおはなし会ではなかなか難しいのですが、ご家庭では、もし子どもたちから「なぜ? どうして?」という質問がでたら、お話の流れを妨げない工夫をしながら答えてあげて大丈夫です。でも、大人から子どもへのテストのような質問は禁物ですよ。そんなことを繰り返していると、お子さんが絵本嫌いになってしまいますから、念のため。
求め過ぎると得られない絵本の効果
とても不思議なことですが、絵本の読み聞かせをしていて気づくことがあります。それは、知育絵本やしつけ絵本などに顕著なのですが、絵本に関しては「結果を求め過ぎると望む結果を得られず、親子で絵本を楽しんでいるといつの間にか望む結果がついてくる」ということです。ですから、言語力を育もうとするあまり、「絵本を読まなければ!」としゃかりきになったり、読み聞かせを親の義務のように考えないよう注意してください。その意味で、親子で一緒に絵本を楽しむことが、最も大切なポイントだといえるのかもしれません。ぜひ、「絵本の効果は求め過ぎると得られない」ということを、覚えておいてくださいね。
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