競走馬の多くが「胃潰瘍」になっている?

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レースで勝つには、体調面を整えることも大切です

私たち人間にはおなじみの「胃潰瘍」。この病気は、競走馬にとっても非常に身近なもののようです。太田さんが説明します。

「胃潰瘍にかかっている競走馬は多いですね。程度の差はあれ、『競走馬の約9割は胃潰瘍を持っている』という論文もあるほどです。原因のひとつとして考えられるのは、ストレス。競走馬は肉体的にも精神的にもストレスのかかる生活をしていますから、それにより発症するケースが多いです」

これはなんとも考えさせられる話。太田さんによれば「レースが近づくとお腹が痛くなる馬もいるんです」とのことで、実際に、競走馬の中には人間でいう「胃薬」を飲んでいる馬もいます。私たち競馬ファンとしては、こういう中で競馬が成り立っていることを忘れてはいけませんね。

馬のインフルエンザはどんなもの?

胃潰瘍のほかでは、競馬を見ているとよく「熱発」という病気が聞かれます。これは、いわゆる馬の「風邪」で、「人間と仕組みは同じ」と太田さんはいいます。さらに、人間にとっておなじみの「インフルエンザ」も、馬にとっては天敵のようです。

「馬もインフルエンザにかかります。ただし、ウイルスのタイプは人のかかるものとまったく違うので、人と馬でウイルスを交換することはありません。インフルエンザのウイルスは100パターンほどあり、その中で馬のかかるものは『馬インフルエンザ』とされています」

人間と同様、あるいはそれ以上に厄介な馬インフルエンザ。2007年8月にも、国内で馬インフルエンザにかかった競走馬が見つかり、競馬開催が中止になるという事態が起きました。

ただ、このような馬インフルエンザが日本で発生するケースは「ほとんどない」と太田さんは言います。

「日本ではワクチンが普及していますし、海外から入る馬には厳しい検疫(※病原体などに感染していないかチェックする行程)が行われます。そのため、馬インフルエンザのウイルスは、基本的に国内に存在していません」

2007年の件についても、馬インフルエンザが日本で見つかったのは36年ぶりのことでした。また、その後は一切見つかっていません。人間のインフルエンザは毎年のように流行していますが、馬のインフルエンザについては違うようです。

その他の病気では、「加齢にともなって、ガンや白内障にかかる馬もいます」(太田さん)とのこと。15歳~20歳くらいのサラブレッドに多く見られる病気のようです。

人と違う部分が多々あるのはもちろんですが、人間と馬の共通点もいろいろとあります。たまにはそんなことを考えながら、競走馬を見てみるのも大切かもしれません。


(リンク)
JRA競走馬総合研究所




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