日本で開発、製造されるThinkPad
ThinkPadの国内製造ライン
ThinkPadは横浜にある大和研究所で開発されており、日本の山形県にあるNECレノボ・ジャパングループの米沢事業所で生産されます。実際は、すべてを日本で製造しているわけでなく、OS以外のソフトウェアを含めるとThinkPadは日本だけで完成している製品ではありませんが、主要な部分は日本製のThinkPadが手に入ることになります。
他社でも日本製造製品はいくつかありますが、どれも日本市場向けに特化した製品がほとんどです。しかし、ThinkPadの場合はグローバル向けにも提供されている製品が、日本で作られ、国内のみで販売されます。このため、同じレノボ製品でも、世界中で日本だけが日本製造の利点を享受できることになります。
米沢発、世界へ
米沢事業所でのThinkPadの生産は始まったばかりで、対象機種は2機種だけと限られています。今回の生産開始に合わせて予約販売が行われましたが、非常に人気なことから、出荷に時間がかかっているとのことです。米沢事業所ではセル生産方式を採用しており、60ラインある中で2ラインのみをThinkPadに割り当てています。生産が始まったばかりですが、早速供給が追いついていない程の注目を集めている状態のようです。
このような日本製造の需要の高さもあり、NECの米沢事業所をさらに生かすべくいくつかの展開を検討しているそうです。
米沢発のこれから
- ThinkPadだけではなくサーバー製品の製造
- NEC LaVie Hybrid Zeroのアメリカ向けモデルの開発
- ThinkPad米沢生産モデルの拡大
- ThinkPad X1 Carbonで行ったような限定モデル
- ThinkPadの海外向け生産
日本での製造拡大のような、日本ユーザーに直接の利点がある計画に加え、レノボ傘下になったことで世界に向けて発信できるようになった、NEC米沢の技術もあります。
どれも実現を期待したい物ばかりですが、パソコン環境は競争が激しい中で、製品に使われる技術はもちろん、セキュリティや品質の要求も日々高まっています。日本の品質要求は世界の中でも最も厳しく、この環境で生まれた米沢発の技術が世界にどう広まっていくのかにも注目していきたいところです。