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ナゼ任天堂はDeNAと提携?業績とハード・ソフトの関係(3ページ目)

任天堂は、ゲーム専用機というハードと、マリオ、ピカチュウなどに代表されるキャラクターを駆使したソフトとを両輪で展開しています。ただ、業績への貢献という意味では、ハードのヒットは驚異的な結果をもたらします。ハードとソフトが両輪でヒットした成功体験を任天堂は捨てるのかどうか。経営方針に注目です。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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ハードがヒットすれば、驚異的な利益拡大!  以下の表はこれまでに発売された、ゲームソフトの国内累計売上ランキングです。(独自調査)
【図3undefinedゲームソフト国内売上累計ランキング】

        【図3 ゲームソフト国内売上累計ランキング】


この表からもわかるように、ファミコン、ゲームボーイ、ニンテンドーDS、Wiiなど任天堂のハードで遊ぶソフトばかりが上位を占めています。上位20位のうちソニーのPSP、プレイステーションで遊ぶソフトは2本だけで、それ以外はすべて任天堂なのです。

さらに特徴的なのはポケットモンスター関連のソフトの多さです。ポケットモンスターだけで、6本あります。スーパーマリオでも4本、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーは1本ずつです。このように、大ヒットをしたポケットモンスターが発売された1997年頃は、確かに業績がよくなっています。しかし、1983年以降や、2007年以降の急拡大と比べると、少し物足りないようにも感じます。

ポケモンが大ヒットした1996年~1997年。ニンテンドーDS、Wiiが大ヒットして任天堂の業績が驚異的に拡大した2007年~2010年。

やはり大きな違いは、ハードもヒットしたかどうかです。ポケモンというソフトだけがヒットした1996年~1997年と、ソフトはもちろんのことニンテンドーDSやWiiというハードも大ヒットした2007年~2010年とでは、業績の伸びが全く違います。ポケットモンスターなどのソフトが大ヒットすることも大切ですが、それに加えてニンテンドーDSやWiiといったハードがヒットすることで、驚異的に儲かるといえます。

日本国内で時価総額2位にまで上り詰めるほどの業績です。経営者の方、従業員の方々には、一般人では味わうことのできない、すばらしい達成感があったことでしょう。そして忘れられない成功体験となったはずです。 

現在、任天堂の業績は低迷しています。株価も低迷しています。一方で、ガンホーやミクシイのようなスマホゲームの会社は大きく業績を伸ばしています。

ゲーム業界も変化の時がきたのかもしれません。多くのゲーム会社がスマホゲームに参入する一方で、任天堂はこれまで参入しないとしてきました。もしかすると、ハード・ソフトがともにヒットすることで爆発的に業績が拡大するという「過去の栄光が忘れられない」という面があったのかもしれません。

任天堂は、事業展開に行き詰まり、2002年に社長が山内氏から現在の岩田氏に交代しました。そして、ニンテンドーDSやWiiを大ヒットさせることで、経営危機だった任天堂を救いました。経営危機から救うどころか、時価総額日本2位まで株価を押し上げたのです。そんな過去の栄光が忘れられないから、だからゲーム専用機というハードに固執するのだとしたら……。

ゲーム専用機を死守するか、人気キャラクターを使ったスマホゲームを展開するか。難しい選択です。今回、任天堂が出した答えは、会員制サービスを活用したゲーム専用機とスマートデバイスとの融合でした。この戦略転換がどのような結果をもたらすか。やっぱり任天堂から目が離せません。
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