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ナゼ任天堂はDeNAと提携?業績とハード・ソフトの関係

任天堂は、ゲーム専用機というハードと、マリオ、ピカチュウなどに代表されるキャラクターを駆使したソフトとを両輪で展開しています。ただ、業績への貢献という意味では、ハードのヒットは驚異的な結果をもたらします。ハードとソフトが両輪でヒットした成功体験を任天堂は捨てるのかどうか。経営方針に注目です。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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どうして最近の任天堂の業績は低迷しているのか?

2015年3月17日、任天堂<7974>とDeNA<2432>は、業務・資本提携することで合意しました。任天堂のキャラクターを活用して、スマートデバイス向けゲームアプリを共同開発・運営します。また、DS、Wiiのようなゲーム専用機の開発を止めるわけではなく、むしろ多様なデバイスとゲーム専用機を連携させるような会員制サービスを展開していく考えのようです。

ファミコンで社会現象を起こして、マリオ、ピカチュウ、ドンキーコング、ゼルダのような強力なキャラクターを保有している任天堂ですが、最近の業績は低迷していました。このような背景のもと、DeNAとの業務・資本提携が実現したのだと考えられます。

では、どうして最近の任天堂の業績は低迷しているのでしょうか?

ハード、ソフトのヒット・停滞とともに、「株価」が大きく上下してきた

下のチャートは1983年以降の任天堂の株価チャートです。山あり谷ありの元気なチャートですね。
【図1undefined任天堂の株価の推移】

            【図1 任天堂の株価の推移】


みなさんご存知のファミコンが発売されたのは1983年7月です。ファミコンの発売をきっかけとして、株価は堅調に推移しました。そして、1985年9月にスーパーマリオが発売されると、スーパーマリオの大ヒットと共に業績は急拡大して、1986年の株価はファミコン発売前の約3倍まで急騰しました。1989年には、ゲームボーイの発売と同時にテトリスが大ヒット。バブル景気によって、株価は大きく上昇しました。

しかし、その後はハード、ソフトともにヒット作がなく、バブル崩壊後の株価は下落を続けて、ゲームボーイ発売時の株価まで下落しました。

そんな任天堂を救ったのは1996年に発売されたポケットモンスターです。ポケットモンスターの大ヒットとITバブルによって、株価はバブル景気とほぼ同じ水準にまで回復しました。しかしまた、ITバブルの崩壊、アメリカ同時多発テロ(2001年)などの影響で、株価は再び下落しました。

次に、任天堂を救ったのは、ニンテンドーDSとWiiでした。ニンテンドーDSとWiiのヒットによって任天堂の株式時価総額は、一時トヨタに次いで日本2位まで上昇しました。

しかし、ニンテンドーDSとWiiの販売数の伸びが鈍化し、さらにリーマンショックが発生したことによって、株価は大きく下落してしまいます。その結果、今ではニンテンドーDSの発売時の水準まで、株価は下がってしまいました。
このように、山あり谷ありの株価チャートですが、実際の業績はどれほど大きく変動したのでしょうか?
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