円安や原油高でも工事原価は上昇する

工事原価

上昇する労務費と工事原価、住宅価格に影響しそう?(写真はイメージ)

工事原価は単純に建築費ともおきかえることができますが、これは住宅の材料となる資材や工事労働費など、工事にかかるコストを指します。円安や原油高が進むと海外から部材を輸入していた企業は原価が高くなります。

これが高くなると、住宅販売業者は単純にその分をオンした価格で売るか、もしくはオンできない場合は自社で吸収する、つまり利益を削って据え置き価格で出すかの2軸の間をとるということになります。

ちなみに昨年2014年11月の住宅の工事原価は2005年に比べて105%と5%増えていて、前月よりも0.04%増(+0.04p)、前年同月比3.67%増(+3.72p)となって上がり基調になっています。工事原価が高くなれば、今は住宅業者も消費税引き上げ後ということもあって自社で吸収する努力は仮にできても、これがさらに上がっていくと住宅業者も耐え切れなくなり、消費者への販売価格に一部転嫁せざるを得ない可能性もないとは言い切れません。

ちなみに、下の労務費、つまり大工さんの費用ですが、一目瞭然でここ最近高くなっていることがお分かりになると思います。
労務費

出典:「住宅金融支援機構」資料

これは少子高齢化や、高齢大工さんの後継者がいなくなっていることなど大工さんの数が激減していることが背景にあります。人口が減っているのに加えて東京ではオリンピック工事や東北の復興事業など、公共工事的な割のいい仕事に少ない大工さんが取られ、住宅は慢性的な人手不足になっています。

人件費2-3割アップの住宅企業も

これが労務費の跳ね上がりとなり、ある大手ハウスメーカーによると、この人件費が2-3割増えているとも試算しています。

ちなみに業界情報によると、工事労務費を含む工事原価は住宅価格の3~5割ほどを占めると言われています。仮にその前提で計算すると、この3~5割に対して2割上昇すると約30→36%、約50%→60%となり、あくまでおおまかな概算となりますが、住宅価格3000万円の場合、上昇6~10%分として180~300万円ほど純粋に膨らむ計算になります。

また人手不足で工期が長くなれば、その分仮住まい費用などもかかることなり、上振れ傾向にあることは否めません。実は消費税や低金利といった買い時要因に比べると地味ですが、この労務費の上昇もチェックしておきたいポイントとなるでしょう。

労働人口減少が一因とすれば中長期トレンドとして大きく改善する可能性も今後小さいと言わざるを得ません。これから住宅購入を考える人は労務費もしくは工事原価がどういう傾向にあるかについても、念頭においておいたほうがよさそうです。


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