※前回記事:40代・50代から始める運動に伴う3つのリスク
高齢期に至るまで、1日30分程度のウォーキングや軽スポーツなど程良い運動習慣を身につけておくことにより、近い将来に訪れるかもしれない“要介護状態”を予防することが可能です。また、病気や加齢を理由に要介護状態に陥ってしまっても、リハビリによる成果(回復)を得られやすくなります。若い頃からの運動習慣が、要介護状態にどのように影響しているのか。今回は“脳力”と“回復力”、2つの視点から考えていきます。
認知症の原因は20代の運動習慣にあり
ちょっとした物忘れが脳力低下の前触れかもしれません。
海外の研究では「25歳前後によく身体を動かしていた人は、中年期になっても思考力が活発」であることが明らかにされています。逆に、身体を動かしていなかった人は、中年期以降の脳力低下が心配されます。また、若い頃から運動の習慣を身につけている人は、中年・高齢期以降に症状が現れるアルツハイマー型認知症に罹患するリスクを3分の1程度に抑えるという調査報告もあります。…認知症の原因は20代のうちに作られるといっても過言ではないのです。
中年期の脳力低下は、高齢期における認知症のリスクを増大させます。
介護が必要となった主な原因のうち、約2割が認知症。その予防は、20代からの運動習慣に少なからず関係しています。「最近ちょっと物忘れが酷いな…」と感じている人はいませんか?そのような軽い脳力低下は、日頃の運動不足が原因かもしれません。放っておくとどんどん脳力が失われ、高齢期には認知症のリスクを増大させます。次ページでは、要介護状態となった際に行われるリハビリについて考えてみます。