高齢者の要介護状態を可能な限り防ぐ(遅らせる)ために、どのようなことを意識していったらよいか。前回の記事では、身体を鍛えてパワーを蓄えておくことだけではなく、病気や障害に負けない強いメンタルを持ち、趣味や仲間との時間を有意義に過ごしていることの大切さについてお伝えしました。高齢になっても活き活きと暮らしていけるかどうかは、幼少期や思春期での体験や生活環境も深く関連していきます。介護予防も「三つ子の魂、百まで」。世代を問わず要介護状態を予防する取り組みが重要です。

※前回記事:「生活に満足している人ほど要介護状態になりにくい?」


若い頃からの運動習慣は高齢期の体力に直結

親子で運動

幼少期から身体を動かす習慣を持つことも大切です。

では、介護予防の要となる“運動”についてはどうでしょうか。最近の研究では、幼少期から思春期、成人期に渡って運動する習慣を持っている人は高齢になっても体力が維持されやすいことがわかっています。体力の低下は、生活習慣病や要介護状態に直結していきます。「1日の歩数は1000歩以下」、「階段の昇り降りがつらい」、「ちょっと走っただけでも息切れがする」などといった自覚症状がある人は既に介護予備軍になっているかもしれません。

これまで運動を避けてきた人でも遅くはありません。既に知られているように、運動は何歳から始めてもその効果を得ることができます。ただし、それまで全く運動の習慣がなかった人が、中年期(40~64歳)になって突然フィットネスクラブに通い始めたり、スポーツに挑戦しようとする場合は慎重に行う必要があります。


中年期以降に運動を始める時の注意点・リスク

見えない部分で少しずつ老化現象が始まっていく中年期。急に激しい運動を始めたり、身体にあわない運動を行うことは身体に大きな負担となります。次ページに挙げる3つのリスクに配慮しながらも、不安な場合は主治医に相談し、適切な運動内容・頻度・時間・強度・期間を指導してもらうことが大切です。