60年以上の歴史を誇る全日本チンドンコンクールは富山復興のシンボル
おなかに大きな太鼓と金属製の打楽器を抱え、町を歩いてにぎやかし、何かを宣伝して回るちんどん屋さん。正真正銘その道のプロが全国から30数組100名近く集結し、日本一を競う伝統の大会が富山で毎年行われています。そもそもちんどん屋さんとは、江戸時代に派手な衣装を着て、かねを鳴らし太鼓をたたいてあめを売って回ったあめ売りに起源があるとか。ある日、口上の得意なあめ売りに対して寄席の宣伝の依頼が入り、好評だったため、以後そのあめ売りが各分野の宣伝に活動の舞台を広げて今の礎が築かれたそう。
1945年8月にアメリカ軍の爆撃を受けて壊滅的な被害を受けた富山市は、戦後、市民に笑顔と希望を与えるイベントとしてそのちんどん屋さんに注目し、富山市商工会議所などと協力して1955年第1回目のチンドンコンクールを開催します。
富山大空襲で2,700名近くの命を落とし、文化財を失い、地域の特色のある伝統行事や催事もなくした富山市民は、復興イベントの1つとして企画されたチンドンコンクールを熱烈な歓迎で受け入れたとか。
北陸新幹線開業の2015年のコンクールは第61回大会になります。
2015年の本戦はリニューアルオープンした富山県民会館で行われますが、期間中は本会場以外でも、富山市街地のさまざまな場所でちんどん屋さんの演奏やパフォーマンスを楽しめます。思わず通行人も足を止めて笑顔になるすてきなイベントなので、ぜひとも足を運んでみてください。
○全日本チンドンコンクール
会場:富山県民会館(メイン会場)、平和通り、グランドプラザ他
入場料:無料
期日:4月上旬(2015年は4月3日(金)から5日(日)まで)
詳細ホームページ
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