夫の記憶は消えても…変わらずに待ち続ける愛
(C) 2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved
家の鍵をかけないのは、夫が帰ってきたときのため。娘のタンタンと一緒に住まないのは、夫からの伝言を密告した娘を許していないから。夫への愛情は変わらないまま、夫の記憶だけが消えてしまったのです。
妻に自分を思い出してもらおうと、夫は若い頃のコートを着て駅に降り立つところからやり直したり、古い写真を見せたり、ピアノの調律師のフリをして思い出の曲を弾いたり……。
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諦めずに待ち続けるヒロイン
チャン・イーモウ監督といえば、『初恋のきた道』のヒロイン、チャン・ツィイーの可愛さは衝撃的でした。チャン・ツィイー演じるチャオ・ディが都会からやってきた若い教師に恋をして彼の好きな餃子を作って想いを伝えようとするシーン。あの餃子も美味しそうでしたが、今作でもコン・リーが夫のために饅頭を作るシーンにも強い愛情が感じられて印象的でした。『初恋のきた道』でチャン・ツィイーが恋した先生が町に連れ戻されてしまうのは右派とされたからで、彼女はいつ帰ってくるか分からない彼のことを一本道でずっと待ち続けていたんですよね。
今作でも、自分の記憶をなくした妻が隣でずっと自分の帰りを待ち続けている……。過ぎ去った大切な時間を惜しみ、お互いに想いを断ち切れないまま、寄り添い続けている二人の姿。切ないけれども、決して間違っているとは思えません。
もしかすると、今の私たちは諦めることに慣れてしまい、大切なものを簡単に手放すクセがついてしまっているかもしれませんね。ムリかもと最初から諦めず、自分にできることはやってみる! そんな覚悟があれば変化はきっと訪れるはずです。
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『妻への家路』
監督:チャン・イーモウ脚本:ヅォウ・ジンジー
出演:チェン・ダオミン コン・リー チャン・ホエウェン
原題:歸来、COMING HOME
配給:ギャガ
公式サイト:cominghome.gaga.ne.jp
2015年3月6日TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開