MRキャリア採用減少時代の転職
30代MRに求められるのは個人レベルのパフォーマンスを超えた組織への貢献
その結果、従来であればたとえば27~28才と31~32才のMRに求められる人材レベルにはさほど質的な差は無かったのが、書類審査でも面接でも30代のMRには20代とは違う役割が明確に意識されるようになってきました。
先ず必要なのは納得性の高い転職理由と志望動機
年代に関わらずMRの選考では、他の業界の営業職よりも「転職理由」や「志望動機」を重視する傾向が顕著です。ましてや30代のMRはこれまでに社内で実績や評価を積み重ねてきており、これから管理職へのキャリアアップも視野に入ってきている時期です。
そうした時期にこれまで積み上げてきたものを全て捨てて、他の会社でまたゼロから始めようとするのですから、そうした重要な決断に見合った転職理由が求められます。
現在の勤務先では自分の目指すキャリアプランを実現できず、それを実現するには応募先の企業に転職することが必要である、というロジックで転職理由と志望動機を関連づけて説明するのが説得力や納得性を高めるコツです。
30代MRに期待される役割
20代であれば、個人の目標達成や担当先のドクターとの信頼関係構築といった役割が求められますから、転職の際にも目標を超えた成果や難しい状況下でのドクターとの信頼関係構築といった経験で十分評価を得ることができます。しかし30代MRの場合はそうした個人レベルの役割を果たすのは当たり前。求められるのは「組織に波及効果を及ぼす」というレベルの活動です。
例えば大学病院担当MRとして同じ地域のMRの活動をサポートして成果につなげたり、大学病院のKOL(Key Opinion Leader)による講演会の企画・運営を通じて地域全体に自社製品の処方を拡大するなど。
大学病院担当でなくても、所属する営業所を超えて支店レベルで活用されるような営業ツールを考案したり、周囲のMRを巻き込みながら担当エリアを超えた広域地域で取り組むような活動を自らが中心となって企画・遂行するといったことなども該当します。
このように30代のMRには、単独での成果ではなく組織を活用してダイナミックな成果に結びつけることのできる人材が求められています。