症状にあった温泉を選ぶには、最新の情報で!
自分の症状に適した温泉を見つけるには、まずはこの最新の泉質別適応症を知ることが大切です。この記事では新しくなった適応症をもとに解説していきます。実は、温泉の適応症は2段階構えになっています。まずは療養性すべてに共通の「一般的適応症」、それと「各泉質別適応症」です。例えば塩化物泉と名前の付く温泉には「一般的適応症」+「塩化物泉の泉質別適応症」でその適応症を決めていきます。
それでは、まずは一般的適応症から見ていきましょう。
すべての療養泉に共通の「一般的適応症」とは?
環境省から示された、療養泉すべての共通の新たな適応症は以下の通りです。■療養泉の一般的適応症(浴用)
- 筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
- 運動麻痺における筋肉のこわばり
- 冷え性、末梢循環障害
- 胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
- 軽症高血圧
- 耐糖能異常(糖尿病)
- 軽い高コレステロール血症
- 軽い喘息又は肺気腫
- 痔の痛み
- 自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態 など)
- 病後回復期
- 疲労回復、健康増進
これだけでも、かなりカバーされますね。
これらの適応症は原則、すべて最新の研究等で効果が確認されたものです。これらの症状についてはどの療養泉でも効果が期待できるということです。ただし、「温泉療養は、特定の病気を治癒させるよりも、療養を行う人の持つ症状、苦痛を軽減し、健康の回復、増進を図ることで全体的改善効用を得ることを目的とすること。」とも指針に明記されています。つまり、温泉だけで病気を治すための目安ではない、という点は注意する必要があります。
療養泉の種類は?
療養泉は以下の10種類に分類されます- 単純温泉
- 塩化物泉
- 炭酸水素温泉
- 硫酸塩泉
- 二酸化炭素泉
- 含鉄泉
- 酸性泉
- 含よう素泉
- 硫黄泉
- 放射能泉
実際の温泉は単一ではなく、どれか1つが主成分となり、他は副成分となって組み合わされています。
泉質別の温泉の特徴と適応症
それでは、次に各泉質別の特徴と適応症を見ていきましょう。ポイントとして、この特徴と適応症くらいを押さえておけば、温泉通のお友達にも自慢できますよ。この記事ではまず、日本に多い泉質Best 2についてご紹介します。1) 単純温泉
■特徴日本で一番多い温泉です。単純温泉だからといって温泉成分が入っていないわけではありません。一部の成分が極端に多いわけではないので「単純温泉」という名前になっています。その分、刺激が少なく子どもや高齢者にもお勧めの万人向けの優しい温泉と言えます。温まり効果は水道水より高いことが報告されています。この泉質についてはメンタル系の適応症が目立ちますね。
単純温泉の中には保湿作用のあるメタケイ酸を多量に含む温泉もあり、昔から美肌の湯と言われている温泉も多い泉質です。一言で「単純温泉」と言っても、実はどこの温泉も同一のわけではなく、様々な成分が含まれています。
■適応症
自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
2) 塩化物泉
■特徴日本では単純温泉に次いで多い泉質です。高齢者や病気の回復期のお勧めの温泉です。海水の成分に似た塩分を含んでいます。入浴後、肌に付いた塩分が汗の蒸発を防ぐため、保温効果が高いです。「熱の湯」とも言われることもあります。
長期滞在して温泉療養を行っても「湯あたり」といった反応も少なく、多くの人にお勧めの泉質です。日本ではあまり行われていませんが、ヨーロッパでは、この温泉水の湯気を吸い込むことで痰が出しやすくなることから、吸入療法にも使われています。
■適応症
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
次の記事では残りの8つの泉質について説明いたしましょう!
・「療養泉は10種類!あなたの症状にあった温泉の選び方」