監督賞はリンクレイターかイニャリトゥか!
名誉ある監督賞候補は、人気監督の一騎打ちでしょうか。候補はこちらの監督さんたちです。■アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ★
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
■リチャード・リンクレイター★★
『6才のボクが、大人になるまで。』
■ウェス・アンダーソン
『グランド・ブダペスト・ホテル』
■モルテン・ティルドゥム
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
■ベネット・ミラー
『フォックスキャッチャー』
実力派監督が勢ぞろいで圧巻です。それも比較的若い人が多いような。超ベテランがいませんから、新しい時代の幕開け的な感じもありますね。
で、その監督賞ですが、12年間にわたってひとつの作品を作り上げたリチャード・リンクレイター監督に受賞してほしい。実験的な作品であり、これをやろうとした勇気、情熱、やりとげてなおかつ名作に仕上げた力を讃えたい気持ちです。
対抗馬はアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。映画業界の裏側、忘れられそうな元スター俳優の真実をリアルと寓話が交じりあった演出でこの監督でしかできない世界を創造していますが、独特過ぎて、クロウト受けはするけど一般受けはどうなの?みたいな。業界人が選ぶ賞だから受賞する可能性は高いけど、ちょっと判断つきかねるので、次点にしました。
個人的には『フォックスキャッチャー』のベネット・ミラー監督も素晴らしい仕事ぶり。人間の膿を炙りだすような演出で狂気の人物を坦々と描いて実力をまざまざと見せてくれました。
アカデミー賞のハイライト!作品賞はどの作品に?
いよいよ作品賞です。力作揃いの候補作。今年は8本が候補入りしました。■『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
■『6才のボクが、大人になるまで。』★
■『アメリカン・スナイパー』★★
■『グランド・ブダペスト・ホテル』
■『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
■『博士と彼女のセオリー』
■『Selma』
■『セッション』
前哨戦では『6才のボクが、大人になるまで。』が圧勝。そして後半盛り返してきたのが『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『アメリカン・スナイパー』。
好きなのは『6才のボクが、大人になるまで。』なんですけど、『アメリカン・スナイパー』には度肝を抜かれまして。まるで自分が戦場にいるかのような気持ちにさせられ、恐怖と共に悲しみも押し寄せてくる凄まじい映画でありました。
『アメリカン・スナイパー』2月21日より全国ロードショー(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
なわけで、今回は作品と監督賞が割れるのではないかと。作品は『アメリカン・スナイパー』で、監督はリチャード・リンクレイターが持っていきそうな気がするのです。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』も傑作枠なんですが、これは見る人を選ぶと思う。だから圧倒的な存在感で主演として作品を牽引したマイケル・キートンが受賞して一件落着という予想です。
第87回アカデミー賞授賞式は2月23日(日本時間)午前9時からWOWOWで独占中継されます。レッドカーペットでの女優たちの美の競演、噂のカップルの登場、受賞者のスピーチ……喜怒哀楽がつまった映画の祭典アカデミー賞授賞式。みなさんも予想してみてください♪