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今、プロレスは再ブームなのか?(2ページ目)

2月19日はプロレスの日。1954年(昭和29年)2月19日に力道山が蔵前国技館で初めて本格的なプロレス国際試合を開催したのです。それから61年、時に存亡の危機に立たされながらもプロレスは続いています。総合格闘技ブームに押された時期もありましたが、2012年あたりから「プロレスの再ブーム」が話題になり、最近では「プ女子」が注目されています。果たして再びブームはやってきたのでしょうか?

小佐野 景浩

執筆者:小佐野 景浩

プロレスガイド

昭和のファンから「プ女子」まで!幅広く楽しめる今のプロレス

そして、ここ数年、昭和の馬場&猪木、あるいはジャンボ鶴田、藤波辰爾、長州力、天龍源一郎、平成の闘魂三銃士(武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也)や四天王(三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太)の時代とは明らかに違う「ゼロ年代の波」が起こっています。

その新たな波をリードしているのは新日本プロレス。プロレス=強さという呪縛から解き放たれたことで、新日本プロレスは新たなファンを掴み、今まさに新たな黄金時代を築こうとしています。

「プロレス人気復活!」と言われていますが、実情は新日本プロレスのひとり勝ち状態です。プロレスに強さが必要なのは大前提として、それ以上に選手それぞれのキャラクターを際立たせ、チケットを買って足を運んでくれた観客を楽しませるという姿勢を徹底してから会場の雰囲気が変わっていき、棚橋弘至、中邑真輔という新しいエースが誕生。さらに2012年にはオカダ・カズチカという24歳(当時)の新しいスターも生まれました。

オカダが新たなスターとなった2012年に新日本の親会社になったトレーディングカードゲームの開発・販売を手掛ける株式会社ブシロードの木谷高明社長はJR山手線の各駅に巨大宣伝ボードを設置。さらに宣伝広告車両、宣伝広告ロンドンバスを走らせるなど、宣伝広告費を使って「今、プロレスが流行っている感」を演出しました。

また、カードゲームのテレビCMにオカダらのレスラーを起用、新日本の45年分のアーカイブを活かすべく、定額料金で新日本の主要大会及び45年分の試合映像を低価格で配信するサービスも開始。2015年1月4日の東京ドーム大会はアメリカ、カナダで有料放送のPPV中継をやり、アメリカのテーブルTVで『新日本プロレス・リターンズ』の放送を開始するなど、新日本を一大プロレス企業にするべく世界戦略にも乗り出しています。

最近、注目されているのは女性ファンが増えていること。彼女たちは「プロレス女子」あるいは略して「プ女子」と呼ばれています。女性ファッション誌に中邑真輔が特集されたり、「3大萌えキャラ」として棚橋、中邑、真壁刀義が女性週刊誌のグラビアを飾るなど、確実にファン層を拡大しているのです。リング上ではコワモテのイメージの真壁ですが、朝のテレビ番組では「スイーツ真壁」として人気を博しています。

そうした若いレスラーだけではなく、昭和の大物・藤波、長州、天龍も今では自然体でバラエティ番組に出演して存在感を発揮しています。つまり今のプロレスは昭和のオールドファンもゼロ年代のファンも入りやすい環境になっていると言っていでしょう。

今、勢いがあるのは新日本だけではありません。2015年2月15日にさいたまスーパーアリーナ初進出を成功させ、8月23日には両国国技館、来年は3月21日と8月28日に両国国技館で興行をおこなうDDT、7月20日に両国に初進出する大日本プロレス、常に会場を超満員にするドラゴンゲートです。

老舗の全日本プロレス、プロレスリング・ノアは新興団体に押され気味ですが、全日本では新三冠ヘビー級王者・潮崎豪がかつての聖地・日本武道館を目指すと宣言、旗揚げ15周年イヤーを迎えたノアは3月15日に有明コロシアムでビッグマッチを開催します。他が新しくなったからこそ伝統的なプロレスが逆に新鮮に見えるのも事実で、その底力に期待したいところです。

かつてプロレスは東京ドームに7万人の大観衆を集めたことがありました。今年の1・4東京ドームはその半分強の3万6千人でしたが、昔に比べて娯楽も多くなり、社会の状況が変わっている中での3万6千人は立派な数字だと思います。新日本はかつての黄金時代を取り戻すべく、8月14日~16日に両国3連戦にチャレンジします。

今、「プ女子」が話題になっているようにプロレスへの入口が広くなっていることを考えれば、プロレスの本当の再ブームはまだまだこれからだと言っていいでしょう。百聞は一見に如かず。まだプロレスをナマで観たことのない方は、一度会場に足を運んでみてください。プロレスの面白さを知らないままでいるなんて、人生の損失ですよ!
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