就職活動をスタートさせるタイミングは?
大学生の就職活動に関しては、今までは大学3年生になってからスタートするのが一般的でした。しかし、学問を究めるはずの大学生が4年間在籍するうちの半分の期間を就職活動に充てることが問題となっていました。そのことを改善するために、2015年3月の時点で3年生の学年からは、卒業年次になる直前の3月1日(就職活動解禁日)より一斉にスタートすることになりました。同じく、専門学校も卒業年次になる前の3月から、就職活動をスタートさせます。しかし、スケジュールが後ろ倒しになったといっても、2年制学科がほとんどであるため、入学後、早々と就職ガイダンスがあったり、1年生の夏頃からインターンシップと言われる企業実習に参加したりします。また、クリエイティブ系の学科では、ポートフォリオと呼ばれる制作物を携えて、面接や筆記試験を受けることになります。入学後から内定獲得に向けて息つく間もなく、最短ルートを走ります。
では、次に企業選びと、それを支える学校の体制について比較してみましょう。
企業選びは、広さの大学VS深さの専門学校
大学で修める学問は、医療、教育、家政、工学系など職業と関連性が強い分野系統以外の学科は、必ずしも特定の職業とリンクしているとは限りません。企業選びは、まず就活情報サイトに登録し、その後合同相談会や企業説明会に参加して、幅広い選択肢の中から、希望の業界や職種を絞り込んでいきます。大学には“キャリアセンター”と呼ばれる就職活動をサポートする部署があり、そこに足を運んだ学生に対してエントリシートの書き方や面接指導などのフォローをしてくれます。一方、専門学校は、就職課をいかに効果的に活用するかがポイントとなってきます。専門学校の就職先は、特定の業界や職種と直結していますので大学のように幅広い選択肢があるわけではありません。その分、それぞれの企業との関係性は強いので、卒業生が活躍している企業からの求人が直接きています。就職課には、こうした信頼関係の深い企業の求人情報や内定獲得の成功法則などが蓄積されています。企業情報の収集も就職課に通うことから始まります。常駐しているキャリアスタッフも、長年の企業との関係性に基づきサポートします。
では、こうした就職内定を勝ち取るための専門学校の職員の協力体制は、どうなっているのでしょうか。
スタッフの協力体制がしっかりしているワケは
専門学校には、当然のことながら、現場で即戦力として活躍できるためのスキルの習得や資格取得をサポートする講師や職員がいます。意外と知られていないのですが、それとは別に、高校と同じく担任制をとっているところがほとんどです。授業の出欠の管理や学生生活などにも目を配らせてくれる上に、就職課のスタッフとも連携が取れています。講師、担任、キャリアスタッフの3者がトライアングルの体制をとって学生1人ひとりの就職活動をサポートします。卒業後も続く専門学校のフォローアップ
専門学校は在学中はもちろんのこと、卒業してからも手厚いフォローアップをしています。内容は次の3つが卒業後も続く主なサポート制度です。1 内定を獲得するまで企業を紹介し続けるサポート制度
2 資格取得のための講座が受けられる制度
3 転職の際に別の企業を紹介してもらう制度
いずれも業界と直結していて、卒業生を送り出し、実績を積み上げてきた結果に他なりません。学校見学会や学校説明会などに参加した際には、就職先の確認もさることながら、卒業後のフォローについてもチェックしておくと良いでしょう。
『学生』主導の大学、『学校』主導の専門学校
就職活動に限らず、授業やカリキュラムを組むのも、自分で管理しなくてはいけないのが大学です。企業に応募する場合には、組織を引っ張る幹部社員の候補となる“総合職”やその他の業務を担う“一般職”へのエントリーとなります。職に就いてからも個人の自主性や主体性が問われます。専門学校の就職は、特定のスキルを活かして会社に貢献することになるため応募職種は“専門職”か“一般職”となります。俗に言う、つぶしが利かないのが専門学校の就職先です。確かに、自由度は狭まるものの、入学後の授業編成や就職活動の在り方まで、教職員が一体となって学校主導であたりますので、就職への道筋ははっきりしていると言えます。
就職後のイメージを膨らますことも大切
自分が望む仕事に就くとしたら、組織をまとめていくゼネラリストと呼ばれる立場になっているのでしょうか?それとも専門スキルを活かしたスペシャリストとして関わっているのでしょうか?果たして、どのようなイメージが浮かんできますか?もう一歩踏み込んで就職後のイメージを描いてみることから大学か専門学校か、進路選択で迷った際のヒントが得られるかもしれません。