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債券のアクティブ運用、ストラテジック・インカム戦略

一般的に、金利が上昇すると債券価格は下落します。ただし、一口に「債券」といっても、全ての債券が金利上昇に対して一律に同じ反応を示すわけではなく、また、景気の拡大局面と後退局面では、債券の種類によって収益の獲得機会も異なります。そこで、最近注目を集めているのが、「ストラテジック・インカム戦略」と呼ばれる手法を使った債券ファンドです。

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

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本家米国では20年以上の歴史

「ストラテジック・インカム戦略」とは、景気サイクルや金利動向に合わせて機動的に投資先債券の配分を変更し、リスクを調整しながらインカムの獲得を目指すという手法です。

具体的には、国債だけでなく、投資適格社債やハイイールド社債のほか、政府機関債、モーゲージ債等、複数の種類の債券に投資を行います。投資対象債券の選定にあたっては、市場全体のマクロ経済動向に加えて、社債については個別企業の調査内容も考慮するなど、入念な調査を行う点がポイントです。世界最大の投信市場規模を誇る米国では広く浸透した運用手法で、20年以上の運用歴を持つファンドも存在します。

為替ヘッジ、決算回数……用途に合わせた選択も可

ストラテジック・インカム戦略を用いた債券ファンドは大多数が米国を主要な投資先としていますが、例えば、フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドAコース/Bコース」のように、米国以外の地域に投資するものもあります。当ファンドは、欧州や新興国の債券も組み入れることで、収益機会の拡大を目指します。また最近は、為替ヘッジ機能の有無や決算回数の異なるファンドが同じシリーズで展開されており、選択肢も増えました。

なお、ストラテジック・インカム戦略を用いたファンドの信託報酬は、インデックスファンドや昔ながらの一般的な先進国ソブリン債券ファンドと比べるとやや高い傾向にあります。これは、同戦略がいわば債券のアクティブ運用で、実績のある海外の運用会社が実質的な運用を担っているためです。


ストラテジック・インカム戦略を用いた債券型ファンドの例

ストラテジック・インカム戦略を用いた債券型ファンドの例

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