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債券型投信、過去1年間の運用成績をチェック

先進国を中心に世界的な低金利環境が続く中、それでもなお高い利回りを追求する動きは強くなっています。為替取引や金利差を活用して高水準の分配を実現する通貨選択型も今や定番となりましたが、こうした仕組みを用いていない債券型投信の過去1年間の運用成績上位・下位ファンドはそれぞれどのようなラインナップだったのでしょうか。

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

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かつての「フラジャイル・ファイブ」が上位独占

運用成績の「ベスト10」上位に名を連ねたのは、インド、インドネシア、トルコといった新興国の債券に投資するタイプでした。

通貨選択型を除く債券型投資信託の1年間騰落率ベスト10

通貨選択型を除く債券型投資信託の1年間騰落率ベスト10


インドネシア、ブラジル、トルコ、インド、南アフリカ5カ国の通貨は、かつて「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」と評され、その経常赤字の大きさから、FRB(米連邦準備制度理事会)のQE3(量的金融緩和)政策の縮小により下落が進みやすいと言われていました。インドネシア・ルピアはこの5通貨の中でも特に売りを浴び、2013年中に急落した後、2014年初頭に底を打っています。2014年1月以降の1年間は、こうした反発の動きに加えて、同年10月に発足したジョコ政権に対する期待の高さも、通貨ルピアの回復に寄与しました。

ロシア関連、為替ヘッジ付きは苦戦


一方、運用成績「ワースト10」のランキングでは、主としてロシアの国債に投資するファンドが3位以下を大きく引き離し、1位と2位につけました。原油価格の下落に加え、世界的な原油の供給過多懸念が強まったことで、エネルギー生産国のロシアは昨年10月以降、株価・通貨ともに急速な下落に見舞われました。需給面の改善による下げ止まりも期待されていますが、2014年11月のGDPが約5年ぶりにマイナスに転じるなど、ロシア経済の先行き懸念は払拭しきれていません。

通貨選択型を除く債券型投資信託の1年間騰落率ワースト10

通貨選択型を除く債券型投資信託の1年間騰落率ワースト10


また、為替ヘッジ機能のついたタイプも上位に名を連ねました。円安進行に伴って発生した為替差益を享受できず、マイナス圏に沈んだものが目立っています。
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