ユニクロ、無印良品感覚で投資をすればよい
もちろん高い手数料をとって、高い運用成績をあげる投資信託もありますが、理由をよくみてみると「そもそも日本の株価が上がったから(日本の株で運用する投資信託の場合)」であったりします。ファンドマネージャーがプロの仕事をするのなら、日本の株価が30%あがったら50%くらい値上がりしてほしいものですが、運用の手数料が高いからと株価の平均をはるかに上回ることはほとんどありません。むしろ手数料が高いのに「平均以下」となることもしばしばなのが現実なのです。日本の株価が大きく下がったとき、日本の株で投資をする投資信託も大きく値下がりします。高い手数料を取ってプロが仕事をするなら元本割れしないでほしいところですが、株価がマイナス20%のときはほとんどの投資信託はマイナス20%の±数%まで下がります。これも高い手数料とほとんど無関係です。
ときどき高い手数料に見合う成績を上げる優秀な投資信託があるのも事実ですが何千本もある投資信託のうち数本くらいです。値上がりする前に発見することはほとんど不可能です。初心者ほど選別眼はないはずだからです。
だとすれば、「ベーシックな投資をローコスト」で行う方法を考えるほうがマシです。ユニクロがベーシックで良品質を低価格で提供するように、そういう投資を考えてみればいいのです。
堅実かつ実直に値動きするインデックスファンド
インデックスファンドないしインデックス運用(パッシブ運用ということもある)と名前についている投資信託は、いってしまえば「ユニクロタイプ」の投資信託です。その投資信託が運用の対象としているのが国内の株式なら日経平均やTOPIX、海外の株式ならNYダウなどの「平均」を示す指標がありますが、インデックスファンドは「平均点」を堅実に実直に追い求める投資信託です。
平均点を大きく上回ることはありません。株価の平均がマイナス20%のときはマイナス20%±0.5%くらいになりますし、株価の平均がプラス30%のときはプラス30%±0.5%くらいになります。
「プロならすごい成績をあげてくれるだろう?」というおもしろみはありません。しかし実直できまじめな値動きをしてくれます。そして、地味さの代わりに手数料は抜群に安くなります。
どんなに高くても年0.7%くらいですし、0.5%を下回るものもたくさんあります(国内株式の場合)。ローコストで良品質な運用ができるというわけです。
「高い=高品質」ではない投資の世界に初めてお金を投じてみるのなら、「インデックスファンド」という名前を探してみてください。オススメしたいのはベーシックな着こなしに重宝するユニクロタイプのような投資なのです。