投資の常識は、私たちの非常識?
私たちになじみがないもののひとつが「投資」や「資産運用」です。株や投資信託を活用してお金を増やそうといわれても、今までの世間の常識と異なる「投資の常識」がいくつかあって、私たちを驚かせます。投資の常識は私たちの常識と異なることがしばしばで、「投資の常識=私たちの非常識」であったりします。
今回紹介する、「投資のコスト」もそのひとつです。一般的なコストの常識と投資の常識はちょっと違うのです。しかし、それが分からないと投資で失敗していまいます。
今回は不思議な「投資の常識」をひとつ解き明かしてみましょう。
高いものが高品質なのは当たり前なのに投資では異なる
一般的には、お金をかければ品質は向上します。500円のランチより1000円のランチが高いのは当たり前であり、1000円払って味が悪ければ怒られても仕方ありません。
100万円の軽自動車と300万円の車を比較すれば、300万円の車のほうが高品質なのは当たり前です。ハイブリッドだから燃費が良かったり、エンジンがパワフルであったり、快適性や安全性に優れていたりします。
高いお値段というのはそれに見合うクオリティがあるから高いはずです。誰でも当たり前だと思っています。つまり「私たちの常識」です。
しかし、投資の世界では高い費用を払えば高品質を保証してくれるほど単純ではない、とすればどうでしょうか。おかしいですよね。「投資の常識」はちょっと違うのです。
手数料が高い投資信託が運用成績が高い保証はない
投資についてはいろいろな商品がありますが、投資信託と呼ばれる商品に注目してみます。投資信託とはひとりひとりの小口資金をひとまとめにして何十億円から何千億円の大きな金額にして効率的な運用を行うしくみです。投資信託会社に勤めるプロのファンドマネージャーが売買の詳細は代わりにやってくれますので私たちは買ったらあとは何もしなくてもいい仕組みです。もちろんそのためには手数料がかかります。私たちは日々の売り買いを代わりにやってもらう手数料として、日々の残高から一定割合を引かれていきます。信託報酬(運用手数料)と呼ばれるものがそれで、年率X%の形で予め提示されます。
この手数料、運用の対象や運用の方法によってかなり違いがあります。年率3%引かれるものもあれば、年0.5%引かれないものもあります。
このとき、「手数料が高いということは高品質だから、運用成績も良いに違いない!」と思うのが「私たちの常識」です。
しかし、高い手数料は運用成績を高くする保証もないし、手数料が高ければ元本割れしない、というわけでもないのです。