石田陽子の恋愛コラム/石田陽子の恋愛情報

映画『味園ユニバース』にみる“ポチ男”と“ヒモ男”

映画『味園ユニバース』で、渋谷すばる演じる記憶喪失の男は、カスミ(二階堂ふみ)に拾われ、「ポチ男」と名付けられます。拾われた「ポチ男」は、俗にいう女の敵「ヒモ男」と同じでしょうか? でも、そもそも、女性の家に暮らし、お金(経済力)が彼女よりもなく、将来性が未知数な男性のことを「ヒモ男」として女性の敵のカテゴリに入れることは正しいのでしょうか?

石田 陽子

執筆者:石田 陽子

恋愛ガイド

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「ヒモ男」と「ポチ男」の違い

女性向けの記事やコラムには「ヒモ男を見極める◯つのポイント」「ヒモ男につかまらないための方法」といったタイトルが数多く並び、女性を金銭的に利用する男性からどうやって逃げればいいのか、たくさんの教えがあります。
味園ユニバース

(C)2015『味園ユニバース』製作委員会
 

現在公開中の映画『味園ユニバース』の舞台は大阪。バンド“赤犬”のライブに乱入して、突然マイクを奪った傷だらけの男(渋谷すばる)の歌声に会場が静まりかえります。記憶の底から吐き出されるような彼の歌に、誰もが圧倒されたのです。しかも、男は記憶喪失で自分のことさえ覚えていないという。そんな彼の正体と歌声に興味を持った“赤犬”のマネージャーのカスミ(二階堂ふみ)は、彼を「ポチ男」と名付け、バンドのボーカルに迎えようとします。

父親を交通事故で亡くして以来、認知症のオジイの世話と両親が残した音楽スタジオの仕事を一人でこなしながら、かたくなに生きてきたカスミ。彼女と暮らすようになった「ポチ男」は、料理を作ったり、スタジオを掃除したり…、出しゃばることはないけれど、自然に彼の優しさが周囲の人に伝わり始めます。

そうして「ポチ男」と過ごすうちに、過去にとらわれ、ある日から止まったままだったカスミの時間が動き始め、「ポチ男」も自分が起こした過去の過ちを少しずつ思い出し……。

恋愛で常識とされている「女性を幸せにしてくれるのは◯◯なタイプ」「幸せな結婚をするためには××な相手であることが必要」という条件からは、全くの圏外にいる「ポチ男」。でも、彼の歌声が誰かの心に響いて、確実に周囲の人たちの日常を変えていくのです。

精神的にも経済的にも頼りになって、安定しているパートナーであることが理想の男性像として正解だとしたら、「ポチ男」は不正解かもしれません。でも、誰でも人生において間違うときはあるし、人は全て完璧だなんていえないんですよね。

>>求めるのは安定した未来?それとも…?
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