男子学生の人気が高く、兵庫県内からのアクセスも良好
関西看護医療大学は瀬戸内海で最大の島、淡路島の淡路市にある単科大学です。島の大学というと、通学や学生生活を気にする人もいるかもしれませんが、本州(兵庫県)と四国(徳島県)を結ぶ神戸淡路鳴門自動車道が島を縦断し、スクールバスが兵庫県の明石駅や学園都市駅から出ています。そのせいか、学生の出身地を見ても兵庫県の割合がとても高く、毎年70%以上。また、男性の割合が毎年20~30%と多く、看護学科としてはとても高い男性比率になっています。
看護学科の定員は90人。保健師コースは選択性で枠は最大30人。希望者は2年後期最初のガイダンスで意思表示をする形になっています。選抜の基準は、2年前期で学ぶ公衆衛生看護学1(概論)と公衆衛生看護学2(地域保健活動論)の2科目の合計が基準値以上であることが条件です。もちろん、希望者が多く基準値を超えている者が30人を超えている時は、成績順になります。
ふれあいを重視した実習
保健師実習のフィールドは、基本的に淡路島内の3市(淡路市、洲本市、南あわじ市)で行われています。その特長について、「できるだけ多くの体験をしてもらうことを大事に考え、実習を組んでいます。他大学では地区診断のまとめなど、室内での作業に時間を割きがちといいますが、本学は現場の事業に参加させてもらうことを第一としています。つまり、母子や成人などのテーマ性よりも、現場の保健師さんたちが何を考え、どのように動いているのか。保健師さんがいないところで住民さんたちがどのような暮らしをしているのか、などを学ぶことを重視しています」
魚里明子教授
臨床看護学実習に関しては島内のほか、神戸市や加古川市に行くことが多いといいます。学生の住まいもその方面が多いので、自宅、もしくは学校の近くでの実習となり、交通費などの負担が少ない利点があります。
島ならではのつながりが楽しめる
大学生活の楽しみにも触れておきましょう。まず、誰もが口にするのが海が近く、景色がよいことです。気分転換にビーチを散歩する楽しみもあります。小規模な大学なので学生と教員・職員との距離が近く、困りごとなどの相談もしやすいといいます。ちなみに、大学の本校舎は地元の高校を改修して使っており、職員も地元出身者が多いうえ、教員も積極的に地域住民とつながっています。
「淡路は島なので、他所から来た人たちに最初はよそよそしい対応をしがちですが、本学の学生だと分かると好意的に受け止めてくださるようになっています。今では地域の方々がボランティアで授業に協力してくれることもあります」(魚里教授)
教員からのメッセージ
保健師の魅力について、魚里教授に聞いてみました。「保健師の仕事は、自分の実践結果がすぐに目に見えないので、働き始めて1、2年は自分のやっていることがいいのか悪いのか分かりにくく、やりがいにつながりにくいかもしれません。そこから、経験を積み、先輩たちに支えられ、10年くらい経つと面白さが分かってくる仕事だと思うのです。こんなことをやりたいというものを持ち、地域住民と共にそれを実現していくのが、醍醐味のひとつではないでしょうか。保健師は制度を作っていくこともできるのです。就職は厳しいものがありますが、とてもやりがいのある仕事ですよ」
(大学データ)
関西看護医療大学看護学部看護学科地域・在宅看護学:魚里明子教授/伊木智子准教授/古川秀敏准教授/前田則子講師
定員:90人
保健師コース定員:最大30人
保健師コース最終選抜時期:2年後期開始時