丘の上にあるキャンパス

鹿児島大学は鹿児島市内にある国立大学法人です。キャンパスは3ヵ所に分かれ、保健学科のある医学部は中心部より少し離れた、小高い丘の上にあります。最寄の駅はJR指宿枕崎線の宇宿駅、もしくは鹿児島市電の脇田ですが、キャンパスへの道は延々と坂が続くため、多くの学生はスクーターや車を利用しているようです。

保健師教育の中心となるのは、波多野浩道教授率いる地域看護・看護情報学講座。今回は同講座の若手スタッフ、兒玉慎平講師、森隆子助教、稻留直子助教の3人にお話を聞いてみました。

選択制カリキュラム

保健師教育体制は、平成24年度入学生から選択制を採用し、3年から4年に進学する際に保健師コースへの選抜試験を行います。予定している選抜人数は今のところ15人。保健学科の定員が90名(編入生10人を含む)なので、17%ほどの割合です。選択カリキュラムで入学してきた学生たちは3年生になったばかりなので、本格的な選抜はこれからですが、すでに多くの学生が保健師関連講義を履修していることから、規定の人数枠より希望者の数が上回る可能性が高そうです。

離島とへき地を意識した教育

鹿児島大学では、これまで離島を意識した教育を続けてきた歴史があります。種子島や奄美大島などの離島が多いのが理由で、これまでの統合カリキュラムでも毎年3泊4日ほどの離島地域看護学実習も組み入れていました。先生たちもこの実習は力が入るそうで、森助教と稻留助教は共に鹿児島大学出身のため、自分たちも離島地域看護学実習で大きな影響を受けたといいます。兒玉講師も別の大学出身ながら

「地域に暮らす人々がどのような人なのかを肌で感じる実習なんです。私も力が入ります」

と、離島や僻地に対する熱い思いを語ってくれました。ただ、今後選択制のカリキュラムが本格始動したときに、今の形の離島実習があるかどうかは未定とのこと。それでも離島とへき地を想定した教育は鹿児島大学のミッションとして受け継がれていくのは揺ぎないと思われます。

卒業生と学生の交流

もうひとつ、大学の伝統として、県内に保健師として活躍している卒業生が多数いることがあげられます。大学ではそんな保健師として活躍している先輩たちが所属する「しおさい会」という組織もあり、総会や会報発行、セミナー、先輩保健師からの生の体験を聞く機会が設けられています。なかには80才代の大御所先輩もいるようで、卒業した保健師の絆はとても深いといいます。

確かに私の知る県庁や市町村保健師のなかに、鹿児島大学出身者はとても多く、たとえ先輩がいない市町村に就職しても、大学のつながりで他地域の先輩保健師と繋がることができるのが強みといえます。

愛を叫びましょう!

先生たちの話を聞いていると、とても和気藹々とした雰囲気が伝わってきます。最後に、受験生の皆さんにメッセージをいただいたので、ご紹介します。
左から稻留直子助教、兒玉慎平講師、森隆子助教

左から稻留直子助教、兒玉慎平講師、森隆子助教


「ぜひ、鹿児島の地域を楽しんでほしいです。離島に限らず、しおさい会の交流やここでの学生生活、すべてひっくるめて地域を楽しんでください」(兒玉講師)

「保健師は資格に限らず、看護職にとってとてもよい学問だと思うのです。看護職は自分のなかに保健師のエッセンスを持っていると感じています。ぜひ、その良さを知ってください」(森助教)

「看護は愛です。そして、ウチに来れば『恥ずかしげもなく愛を語る』ことができる学生生活を送ることができます。いっぱい来てください!」(稻留助教)

こうした先生たちの言葉からも地域を意識した教育を重視していることが分かりますね。ちなみに、今回お会いすることができなかった講座の中心人物、波多野浩道教授はよく学生たちに

「地域に愛はあるのか?」

「愛をもって地域に行け!」

「地域をどのくらい歩いてきた?」

との問いかけをよくするそうです。情熱が伝わってくる言葉ですね。


(大学データ)
鹿児島大学医学部保健学科 地域看護・看護情報学講座:波多野浩道教授/丸谷美紀教授/兒玉慎平講師/森隆子助教/稻留直子助教
定員:90人
保健師コース定員:15人程度
保健師コース最終選抜時期:4年進級前
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