注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

耐震の家づくり、自分で確認できる基本をおさえておく(2ページ目)

2015年1月17日で阪神・淡路大震災の発生から20年が経過しました。この間には東日本大震災をはじめ数多くの地震が発生しました。また近い将来首都直下地震などが発生すると予想されています。阪神・淡路大震災から20年の区切りにあらためて住宅の耐震化の基本を確認しておきましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


基礎の基本

次に大切なのは基礎の形状や配筋です。近年はほとんど『べた基礎』を採用している現場が多くなりましたが、基本的には『べた基礎』と『布基礎』があります。何が一番違うかと言えば、布基礎は建物の荷重を線で受けるのに対し、べた基礎は面で受けるという点です。

したがってべた基礎は上物の荷重が均一に地盤へ伝わるようにしなければなりません。そうしなければ不同沈下※が起きる原因になってしまいます。

※不同沈下…地盤が均等に沈下(地盤沈下)せず不揃いに沈下すること。
建物が傾いたり、基礎や壁に大きなひびが入ったり、住人にも様々な被害を及ぼします。

次の図はベタ基礎の基本を記した図です。鉄筋のサイズや配置する間隔などは細かく決められています。
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  ベタ基礎の外周部断面。

しかしこれらをすべて自分で確認するのは難しいことです。そこで、できるだけ基礎工事の様子を見に行くと良いでしょう。また、配筋工事が終了した際には配筋検査を行いますので、その現場に立ち合い担当者に説明を受けることです。

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配筋工事が終了した様子。鉄筋が図面通りにきちんと配筋されているので、とてもきれいな仕上がりになっています。


地盤
基礎、まずはこの2項目をしっかり確認しよう

木造の耐震ポイントはココ!

建物はなぜ倒れず建っているかといえば、建物自体の重さや家具、住む人の重さ、さらには雪の重さに耐えているからです。これらの多くは長時間にわたって加わる力で「鉛直荷重」と呼びます。

これに対して建物には横から加わる水平力があります。これが地震や台風の力で、縦方向の力と横方向の力は全く異なる性質です。なので、どちらにも耐えられるつくり方をしなければなりません。木造では縦方向の力に対しては主に柱や梁で耐え、横方向の力には耐力壁が主になって耐えているのです。

※耐力壁…地震や風など横からの力に抵抗する能力をもつ壁、必要な耐力壁の量は、構造計算により求める。

耐力壁は間取りに応じてバランスよく配置することが大切で、例えば南側に大きいな開口部をつくったときに、南側に耐力壁が全然ないというのは、バランスが悪く良くないのです。

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