保育園の連絡事項をやりとりする、連絡帳は子育ての味方
保育園の連絡帳の使い方
0~2歳児までは毎日担当保育士とやり取りすることが多い保育園の「連絡帳」。書き慣れていないと何を書いていいか悩んでしまう方もいるかもしれませんが、園生活、家庭での親子の時間を楽しくしてくれる子育ての心強い味方です。保育園の連絡帳を楽しく活用しましょう。
保育園の連絡帳、書き方のコツ
■基本的な連絡事項をしっかりと体調の変化、お迎え時間の変更などは、最重要事項。登園時は先生方もバタバタしているので、口頭での連絡だけでなく、連絡帳にもしっかり記入すると安心です。体調の変化については「ちょっとおなかがゆるいです。」だけでなく、「朝もしっかり食べたのですが、家を出る前にいつもに比べるとかなりの軟便が出ました。機嫌はよくて元気です。」などと具体的に書きましょう。
■まずは返信の形で
「家での様子」の欄に何を書こうか悩んでしまった時は、その日の連絡帳の先生が書いてくれた園での様子を読み、返信をしてみましょう。先生が「こんな遊びをしていましたよ」と書いていたら、「家でも同じような遊びをこんな風にしています」とか、「家では見ない姿だったので意外でした」など。やり取りが続いていくと、自然に伝えたいことが出てきます。
以下で連絡帳でのやり取りの例を紹介しましょう。
<1歳児クラス>(入園直後)
朝別れた後、楽しく遊べたかな?
先生より:
「お父さんをお送りした後は泣きやんで笑顔が戻り、保育士とコミュニケーションを取りながら木の車などで遊んでいました。今日は昨日覚えたおやつ、食事前の手洗いから、座る位置まで一通り行っていました。昨日はお昼寝前に泣いていたのですが、今日はタオルを握りすぐに寝ていました。来週も楽しくすごせるといいですね。」
保護者より:
「別れ際に泣かれるとその後の様子が心配ですが、すぐに切り替えて遊べているのですね。新しい生活リズムや行動の流れにもなじんできているようで、ホッとしました。家でも眠るときはお気に入りのタオルが必需品です。今日は1週間の疲れもあるのか、いつもより早く眠りにつきました。」
気になることも質問してみましょう。
<1歳児クラス>(お弁当持参の保育室)
保護者より:
「お弁当は残さず食べるようですが、家では野菜をより分けて残し気味です。同じ親の作ったものなのに、どうしてでしょう?」
先生より:
「お友だちと一緒という雰囲気もあるのかもしれませんね。また、おうちではやっぱり甘えたい気持ちもあるのではないでしょうか? 保育室では、お弁当に限らず本当によく頑張っていますよ!」
■誰が書いたかを書き添える
先生たちも慣れてくると、このおうちはいつもお母さん、このおうちはお母さんとお父さんで連絡帳も分担している、これはおばあちゃんの文面などとわかってくると思いますが、「誰から先生へのメッセージ」という思いも込め、様子の自由記入欄の文章の最後には(母)(父)など書き添えてみましょう。
先生方も受け持ちの先生が複数いる場合は誰が書いたかサインをしてくれると思いますが、ない場合もあるかもしれません。日中の担任、受け持ちの先生の字ならわかるでしょうが、例えば延長保育で保育者が複数いて、いつもの先生の字ではないけど誰だかわからないというようなことがある時は、サインを添えてもらうようお願いしてみましょう。
■連絡帳はいつ記入する?
連絡帳を登園前の朝にまとめて書く人もいれば、前日に書ける分は前日に書いてしまう人もいるようです。書き慣れていない頃は時間もかかるかもしれないので、時間に限りがある朝に記入するのは、朝にならないと確定しないこと(起床時間、朝食で食べたもの、排便の様子、体温など)に絞り、前夜に1日を振り返りながら「様子」の欄を書いてもいいですね。
保育園の連絡帳は子育てのヒントがたくさん
先生と子どもたちの関わり方は、我が子とのふれ合いにたくさんヒントを与えてくれます。大人やお友だちのからの働きかけに対する反応や遊びの様子などを詳しく書いてもらえると、育児への大きな励みになりますね。保護者が園での様子を知り親子で共有できる気持ちや体験が増えてくると、子どもも安心し、日々を楽しむ意欲をより引き出します。<1歳児クラス>
先生より:
「室内遊びの時、木の器にチェーンリングのおもちゃをたっぷり盛り、それを持って自分の椅子へ。モグモグ食べるまねっこをして大満足のたくとくん。そんな姿を見て、僕も!私も!とお友だちが次々にまねし始めました。ニコニコ笑顔が魅力的に見えたんでしょうね!」
<2歳児クラス>
遊びのヒントも色々!
先生より:
「今日はお庭の落ち葉で目と口をくり抜いておばけ遊び。お面にして追いかけると、キャアキャア言いながら逃げていました。イチョウの葉のおばけが気に入りずっと手に持ち、私が同じものを持っていると『おんなじ!』と見せてくれました。」
保育園への連絡事項だけじゃない……不安や疑問も口頭より伝えやすい
お友だちとどんなふうにかかわっているかな?
片言がしゃべれるようになった我が子から「ケンカした」「お友だちにぶたれた」などと聞くと、離れている時間が長いだけにドキッとしたりもします。長時間過ごす保育園生活にけんかはつきものなので、けがや相当ひどい感情のぶつかり合いでないと逐一報告はしないもの。不安に感じた時は、連絡帳でちょっと引いて質問してみては。「お友だちと衝突してしまったようですが、どんな感じでしたか? お友だちに対して手が出てしまうようなことはありますか?」など、やったやらないの確認ではなく、全体状況を教えてもらうような聞き方をしてみるといいかもしれません。
先生がどのように見守り、本人がどんな風に納得したかなども参考になります。
<1歳児クラス>
先生より:
「お気に入りのおもちゃをお友だちが取ろうとすると、すごい勢いで抱え込んでいました。十分満足するまで遊んだあとは、お友だちが来ても大丈夫でした。」
<2歳児クラス>
先生より:
「砂場で遊んでいた時、のどかさんとシャベルの取り合いに……。やり取りの中でのどかさんを、ぺんと叩いてしまいました。『叩かないで』と言われ『もうしないよ』と言ってくれましたが、しばらくの間バツが悪そうにしていました。」
保育園への連絡帳は大切な育児日記として残る
保育園と家庭の連絡帳は、貴重な育児日記
連絡帳は、複写式のタイプでその都度切り離した方を園で保管しているところもあるでしょう。複写式でないノートの場合も、1冊終わるごとに保護者がもらえます。子どもの成長や、その頃自分が喜んだり悩んだりしていたこと、そこに先生の視点が加わった、かけがえのない育児日記として残ります。3歳児クラス以上になると、受け持ちの先生の人数も減り、連絡帳がなくなる園も多いので、一気に寂しくなるという声も聞かれます。
連絡帳を卒業すると、廊下やテラスなど迎えに来る保護者達が見やすい場所にボードを用意し、今日の話題を写真付きのプリントなどで掲示してくれる場合もあります。それをきっかけに、帰り道や夕飯時に話題を投げかけ、子どもの話をたくさん引き出してあげたいですね。
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