子供の病気

子どもは褒めた方がいいのか、怒った方がいいのか(2ページ目)

子育てには、これをすれば良いという決まりきったルールはありません。子どもが真実を語るようになる子育ての1つとして、研究結果があります。この研究を紹介して、子育てについて考えてみたいと思います。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

怒るより褒めよう

褒める

お互いに本当のことを言える環境作りが大切です

ここまで、怒ることのマイナス面を語ってきましたが、もちろんそれが重要な場面もあります。特に、生命に関わることはしっかりと怒る必要があるでしょう。しかしこの場合、なぜ怒られているのかが相手に伝わらなければ、自分の感情だけで怒っていることになり、お互いに建設的な結果を生むことは難しいと言えます。

オーストリアの心理学者であるアルフレッド・アドラー博士によると、子どもを育てるときに親や教師が注意しなければいけないのは、「子どもの勇気をくじいてはいけない」ということだと述べています。

つまり、私たちが子どもを怒る時は、ある失敗に対して怒ることが多いと思いますが、なぜ怒られているかをきちんと理解させるようにした方がよいということです。

例えば、子どもが食器を落として壊してしまった場合、つい、その行為自体を怒りたくなると思います。でも、むしろ行為の原因に対して考えさせる怒り方をしたいものです。落としたことを悪いことだとわかってもらうために怒ることもあるかと思いますが、その後に、どうしたら落とさなくなるのは考えさせて、その原因が分かった時に褒めるとどうでしょう。その子どもは、次は食器を落としにくくなります。

このように、結果だけに注目するのではなく、プロセスに注目して、自分でできることを引き出して褒めることができたら、子どもの勇気はくじけることはありません。

禁止された時のされた時の心理

何かを禁止されると、どうしてもそれがしたくなります。知りたいという好奇心を満たすために、禁止されたことをしたくなるわけです。禁止されたことをした後は、「禁止事項を破る=怒られる」となり、それを避けるために嘘をつく確率が増えると思われます。

子どもの頃に怒られてばかりいると、嘘をついてしまうようになるかもしれません。その意味では、何事はまずは聞いてあげる姿勢が子育てには必要と言えます。


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