「プール熱(咽頭結膜熱)」とは……大人が感染することも

プールで遊ぶ少女

プール熱はプールに入らなくても発症する感染症です

夏に流行する「プール熱」。正式名は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」です。プールで感染することが多いため、一般的に「プール熱」と言われますが、プール熱はプールだけではなく、いつでもどこでも感染する可能性があります。プールに入っていないから、プール熱になるはずがない、という認識は間違いですので注意しましょう。

2013年のように冬にも流行することがありますが、プール熱は主に夏に多い病気で、毎年流行を繰り返しています。プール熱の感染経路、主な症状、診断方法、治療・予防方法、また出席停止の有無についても詳しく解説します。

プール熱の原因・感染経路・潜伏期間

■プール熱の原因
プール熱はアデノウイルスというウイルスが原因で起こります。アデノウイルスは、1953年にRowe先生がヒトのアデノイド(のどのリンパ組織)を培養しているときに発見したことに由来しています。

■プール熱の感染経路
感染経路は、唾液などを介してうつる飛沫感染と、密接に近くにいることでうつる接触感染。感染力はかなり強いので、家庭生活を共にしている兄弟姉妹間でうつることも多いです。眼脂などにも感染力があり、ウイルスはノドや目から体内に侵入します。

■プール熱の潜伏期間
感染から発症するまでの潜伏期間は、5~7日間。夏に多く、幼児から学童までに多く見られます。

アデノウイルスには、多くのタイプがありますので、1つのアデノウイルス感染しても何回か感染することがあり、大人も例外ではありません。大人への感染は、主に子どもからが多いようですが、子どものように集団で大人に流行することは少ないです。そもそも大人は何度かかかっていることが多いので、子どもに比べてかかりにくいと考えられます。

プール熱の主な症状……発熱・結膜炎・咽頭炎

目からも感染しますので、タオルなどの共有は辞めましょう

目からも感染しますので、タオルなどの共有は控えましょう

プール熱の正式名称である「咽頭結膜熱」という名前の通り、発熱、結膜炎、咽頭炎が主な症状となります。

■発熱
40度前後の高熱で5日前後続きます。

■結膜炎
結膜炎に伴い、結膜充血(眼の白みの部分が充血する)、目の痛み、かゆみの症状が出ます。また涙や眼やに(眼脂)が多くなります。

■咽頭炎
ノドの痛み「咽頭痛」や、ノドの腫れや赤くなる「咽頭発赤」が現れます。

この他、全身倦怠感、頭痛、食欲不振なども見られます。発熱は39度以上で5日も続くことがありますが、治るとスゥーと下がることが多いです。時に肺炎を起こすことがあるので、注意が必要です。

プール熱の検査法・診断法

まず、アデノウイルスへの感染を調べる必要があります。アデノウイルスの確認は、迅速キットか血液検査によって行われます。

迅速キットの場合、ノドを綿棒でこすって検査を行います。30分程度でキットが「+(陽性)」になれば、アデノウイルスがノドにいることがわかります。現在はほとんどこの方法で検査が行われます。

血液検査は、検査結果が出る頃にはすでに治っている場合が多いので、実際、現在の診療現場では使われていないことが多く、肺炎などの合併症のある時に使われます。最初の血液検査でアデノウイルスに対する抗体が非常に上がっているとわかった場合、2週間以上あけて2回目の血液検査を行います。1回目より2回目で抗体が上がっている場合はアデノウイルスの感染であったと判ります。しかしこの検査では、結果が出るまでに時間がかかってしまい、アデノウイルス感染症であったことを事後的に確認する検査になっています。

上記の方法でアデノウイルスへの感染がわかり、さらに高熱、ノドの赤み、結膜充血などの症状がある場合、プール熱と診断されます。

プール熱の治療法……治療薬・家庭で気をつけること

アデノウイルスに対する特効薬はありません。病院で処方される治療薬と自宅で休養する際の注意事項についてご説明します。

■病院で処方される治療薬
  • 高熱でツライ時→解熱薬 ※時間がたつと再び発熱します
  • ノドの痛み→うがいや鎮痛薬
  • 眼脂や眼球結膜充血→抗生剤やステロイドの点眼薬
  • 眼のかゆみの強い時→抗ヒスタミン薬やステロイドの点眼薬

■自宅で気をつけること
  • 安静と十分な睡眠で免疫力が落ちないようにする
  • 水分補給を行う

特に、脱水を防ぐための水分補給は大切。ノドの痛みがあるので、ノドごしのよい飲料で、できれば電解質を含む飲料がお勧めです。下痢などの症状がない場合は、ノドが痛くて飲みにくいことがあるので、ノドごしのいい少し冷たい飲料の方がいいでしょう。

発症後は特効薬がなく、自然治癒を待つしかないので、症状を抑えることと免疫力を高めることが大切です。普段から手洗い、うがいで予防に努めるようにしましょう。

プール熱は予防が大切! 手洗い・うがい&身の回りの消毒を

プール薬には特効薬がないため、予防が大事になってきます。原因であるアデノウイルスが感染力が強く、手による接触感染やツバなどにより飛沫感染するため、第一に感染者との接触を避けることが大切。

身の周りの消毒が大切で、手洗い、手指消毒と言ってアルコールや石鹸で指の間までしっかりと洗浄消毒します。子どもの場合は、おもちゃなど、触れるものへの消毒も可能ならしておいた方がよいでしょう。

さらにノドへの感染ですから、うがいも大切です。特にプールの際は、特に水泳前後のシャワーと、プールの後の目洗いやうがいを徹底することが大切です。タオルや寝具などの共用は避けた方がよいでしょう。

プール熱で出席停止になった場合の登校目安

プール熱は学校保健法で第二種伝染病に指定されているため、感染がわかった場合は「出席停止」になります。発熱や眼球結膜の充血、ノドの痛みなどの主要症状が無くなってから2日間経過すると、学校などは登校可能です。主に、診療現場では解熱して2日後に出席可能とされています。
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