衛生、薬理はここをやれ!
久保田:塩田先生は衛生、森先生は薬理という分野が専門ということですので、この時期に衛生または薬理で点を多くとるためには何をすればよいか教えてください。塩田:衛生は今からでも点数は稼げます。まずは、食品添加物、農薬や乱用薬物などの構造式を再度確認することですね。構造式がわからないと解けない問題も多いですが、逆に構造式さえ分かっていれば問題自体は簡単なことも多いので意外に軽視しがちですが、しっかりと見ておきましょう。
また、水環境の範囲などの実験操作やグラフ等も見落としがちですのでもう一度見ておくと良いかと思います。さらに、近年、法改正された部分の出題も改正された翌年に出題されたりもしますので、予防接種法など、法律の改正ポイントを再度確認することを忘れずに。計算問題も出題範囲は狭いので必ず見ておいてくださいね。
森:この時期に薬理が弱ければまず、自律神経系の拮抗二重支配と受容体の種類とその効果を必ず押さえておきましょう。基本的なところが重要です。あとは過去問をとにかく解いてください。薬理がよくわからない人は過去問演習が一番手っ取り早いです。予備校が出している問題集の解説には、その問題に関連する事項や薬をまとめた表なども記載されているので、それも貪欲に覚えましょう。薬理は分野ごとに薬をまとめた表をしっかり押さえることが大切です。
また、過去問を解く中で理解しきれない機序をもつ薬や薬理分野があると思います。あまり大きい声では言えませんが、実際は詳細や機序が理解しきれなくても、正解を出せる結論さえあれば自分なりの理論を立てて解いてもかまいません。この時期に意味がわからないものにつまずいて先に進まず、一喜一憂していたらリズムが崩れます。試験までは自分のリズムを保って臨んでくださいね。
久保田:最後になりましたが、これから国家試験を控えた受験生にメッセージをお願いします。
塩田:大丈夫、まだまだ伸びます。4月からどんな医療人になっているか、しっかりイメージして、残りの時間を真剣に頑張ってください。試験当日も休み時間も無駄にせず粘る学生を、私は素敵だと思います。
直前まで「あきらめない気持ち」が合格へ導きます。私たちも応援しています。
あと、睡眠はしっかりとって下さいね。体調管理を蔑ろにする人は結構いますが、本当に当日になって風邪を引いて受験に失敗する人を何人もみてきました。追い込みで無理しすぎないよう頑張ってください。
久保田:本日は貴重なお話をありがとうございました。
(取材協力:ウインファーマ株式会社)
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