マスタング“らしさ”を残しつつ、グローバルクオリティへ
新型マスタングの主な注目点を3つ挙げておきたい。それは、内外装デザイン、新型パワートレイン、そして新設計シャシーだ。なかでも、デザインの巧みさには舌をまく。前述したように、新型マスタングがこれから狙っていくのは、グローバル市場である。アメリカンスポーツらしいイキの良さと大胆さを織り交ぜつつ、世界で通用するデザインクオリティや見栄え質感を開発陣は目指した。
リアランプやフロントマスクあたりに十分“らしさ”を残しつつ、アメリカ人のみならず、イギリス人もイタリア人も、そして日本人だって喜ぶ、グラマラス・ビューティなクーペフォルムでまとめたあたり、デザイナーのセンスの良さが伺える。
インテリアもそうだ。初代のデザインイメージを現代風に再解釈し、見栄え質感こそ“まずまずレベル”ながら、適度なレトロさとシンプルさが共感をよぶコクピットとしている。
2.3リッター直噴直4ターボエンジンは、従来の3.7リッターV6はもちろん、少し前までの4.6リッターV8にも匹敵するほどのパフォーマンスが魅力。ダウンサイジングのお手本のようなユニットで、レブマッチング機能とパドルシフトのついた6ATと組み合わせた。
シャシーも新しい。50年間使い続けてきたリジット式をついにあきらめ、マルチリンクサスを新採用。フロントのマクファーソンストラットも新設計である。