子供のしつけ/2~6歳のしつけ

大人になってから困らない!今からできる金銭教育

今の子ども達は、自分の欲しいものが簡単に手に入る環境にありますが、大人になり、自分の収入の範囲内でやりくりをしていかなければならない時期がやってきます。その時に、欲しいものを我慢する力が育っていないと、困るのは本人です。子どもに、物を大切にする心やバランスのとれた金銭感覚を身につけさせ、自立できるようにするのが親の役目です。

上野 緑子

執筆者:上野 緑子

幼児教育ガイド

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欲しいものを買うために、計画を立てたり、工夫や努力をすることは良い経験になります

子どもの金銭教育はなぜ必要?

今の子ども達は、自分の欲しいものが簡単に手に入る環境にあります。人気のお菓子などの食べ物がそろっているコンビニが至る所にあり、いろんなお店が集合するショッピングモールに行けば、お気に入りのゲームや雑貨がたくさん並んでいます。そして、少子化の影響もあり、頼めば、おじいちゃん、おばあちゃんに欲しいものを買ってもらえるなど、我慢する気持ちが育ちにくい状況です。

しかしながら、子ども達もいずれ大人になり、自分の収入の範囲内でやりくりをしていかなければならない時がやってきます。その時に、欲しいものを我慢する力が育っていないと、困るのは本人です。

お金の管理能力は自分の欲求をコントロールする能力とつながっており、子ども時代に形成されていきます。子どもに、物を大切にする心やバランスのとれた金銭感覚を身につけさせ、自立できるようにするのが親の役目です。

では、実際にどのようにして金銭教育に取り組んでいけばいいのでしょうか

おこづかいは決まった額を与える

むやみにおこづかいや物を与えすぎず、おこづかいの使い方をコントロールできるように見守りましょう。おこづかいの使い方は子どもに任せて、どんなに口を出したくても、我慢しましょう。計画的に使わないと後で自分が困ることを学ぶはずです。大人になってから大きな金額で失敗しないよう、経験を積むことが大切です。

おこづかい帳を付けさせよう

足りなくなったときにどうして足りなくなったか、今度はどう使えばよいかを振り返るためにおこづかい帳を付けさせます。残高がピッタリ合わなくても、それが目的ではないので、気にする必要はありません。厳密さにこだわるよりも、多少不明な点があっても自分のおこづかいの管理を続けることが重要なのです。親は、週に一回程度、子どものおこづかい帳に目通すようにしましょう。

おこづかいを分けて管理させよう

おこづかいを財布や貯金箱、缶など3つに分けて管理します。お菓子やマンガなど「好きなものを買うお金」、文房具など「必要なものを買うお金」ゲームソフトなど「貯めて、高いものを買うお金」の3つです。欲しいものや必要なものの値段を調べたり、予算を考えたりするきっかけになり、物を買うときは、よく考えてから買うようになるはずです。

欲しいものを買うために、計画を立てたり、工夫や努力をすることは良い経験になります。また、銀行に子ども名義の口座を開き、お金を預けることもお勧めです。お金が通帳の数字になるという体験をさせることで、金融機関への興味を持つことにつながるかもしれません。

注意点としては、欲しいものを買いたいがために、ノートなど必需品を我慢することの無いように、最初に言い聞かせておきましょう。

物を大切にする心を育む

自分の持ち物に名前を書き、物をなくさないように、そして、物を乱暴に扱わず、大切にするよう心がけさせましょう。また、おかずを残したり、たくさんのお菓子を買い過ぎて、食べきれなくなったりすることの無いように教えましょう。

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限られた予算での買い物でお金の大切さと計画を立て行動する大切さを学びます

限られた予算での買い物を頼んでみよう

例えば、カレーを作るための材料を子ども達だけで買いに行かせます。限られた予算の中で、どの肉を何グラム買うのか、玉ねぎを何個買うのかなど、子ども達は考えます。お金には限りがあり、「何かを買ったら、何かが買えなくなる」ということを理解します。

さらに、金銭教育をもっと大きくとらえてみましょう。経済のしくみを理解し、自分の生活だけでなく社会全体のお金の流れについて学ぶことも大切です。そのためにはどのような体験をすればいいでしょうか。

一緒にお買いものごっこをしよう

家にあるおもちゃや本、そして、おもちゃのお金や手作りのお金などを使っておもちゃ屋さんごっこをします。おもちゃ屋さんや本屋さんなどのお店屋さんチームとお客さんチームに分かれて、お買い物ごっこをします。そこで、子ども達は、お金の存在や役割を学びます。

実際のお金を使う販売を体験しよう(学校などで)

ミニトマト、はつか大根など子どもにも簡単に育てられる野菜を栽培させ、保護者向けバザーなどで販売させます。あるいは、家族でフリーマーケットに参加するのもいいでしょう。

お金は労働の報酬として得られることを理解し、労働の重要性を知り、物やお金を大切にする心を育みます。また、経済のしくみを学ぶことにもつながるでしょう。

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特別なお手伝いには特別なおこづかいをあげるのもいいでしょう

特別なお手伝いに対するおこづかいを与える

毎日の決まったお手伝いに対してではなく、例えば、お庭の草抜きや洗車など、特別なお手伝いに対しておこづかいを与えるのもいいでしょう。ただし、おこづかいをもらわないとお手伝いをしない、あるいは、なんでもお金で計算してしまうということの無いように教えなければなりません。

そのためにも、毎日の決まったお手伝いにはおこづかいをあげない方が良いでしょう。
 
最後に、お金に関して注意する点についてお話します。

友だちとのお金の貸し借りはさせない

色々なトラブルに発展する危険があります。お金を貸した側は、貸したお金を返してもらえなかったり、貸してあげた人が借りたことを忘れてしまうなどのトラブルです。

また、お金を借りた側は、借りたお金を返したのに、まだ返していないと言われたり、利子をつけて返せと言わるトラブルなどが考えられます。ですから、たとえ少額であっても、お金の貸し借りは禁物だと教えましょう。

お金だけではない価値観を育む

金銭教育の方法を一歩間違えると、金銭至上主義的な考え方に陥る危険性もあります。金銭教育が偏ったものになってしまい、物事の価値基準をすべてお金でとらえるような人間にならないために、豊かな心を育むことも大切です。

例えば、町内のボランティア活動に参加させたり、お年寄りなど街で困っている人を助ける優しい気持ちを教えたり、おこづかいから募金することなどもとても大切なことだと教えましょう。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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