レスサスRCはスポーティモデルとしては厳しい?
レクサスRCの紹介をしていなかった。少し遅くなったものの、その分、ジックリと分析してみたいと思う。まずクルマのアウトラインだけれど、レクサスで最もベーシックな4ドア車である『IS』をベースとした2ドアクーペモデルだと理解していただければ間違いない。エンジンラインナップは2つ。2.5リッター4気筒のハイブリッドシステムを搭載するのが『RC300h』で、電池残量のある状態だとエンジン出力の他、モーター出力も加わり出力220馬力というスペック。アクセル全開だと2~3分で電池残量が無くなるため、エンジンのみの178馬力になりますが……。
加えて車重1740kgと驚くほど重い。電池が切れたらミニバンと同じくらいの動力性能になってしまう。電池残量がある状態で街中を普通に走っている限り、必要にして十分な性能を持っているものの、スポーティモデルとして考えれば少しばかり厳しい感じ。だったら後述の通り、BMW420iをすすめる。
318馬力の3.5リッターV6を搭載する『RC350』は元気よく走ってくれます。車重1690kgで決して軽くないものの、パワフルなエンジンに助けられ、お腹一杯になるくらい速い! ただ残念ながらイマドキのクルマとしては考えられないことに、アイドリングストップが付いていない。
つまり燃費が良い反面、動力性能がミニバン級のハイブリッドか、速いけれど環境など全く考えていない3.5リッターから選ぶしか無いのだった。本来ならレクサスNXに搭載されているアイドリングストップ付きの2リッター4気筒ターボあたりをラインナップして欲しかったところ。
レクサスRCは「現在必要なスペック」をまだ備えていない
もう一つの決定的な不満点は、納得のいく自動ブレーキがオプションでも選べないこと。追突事故や歩行者を感知して自動でブレーキを掛けてくれたり、ドライバーの意識障害の際に一定の安全装置になってくれたりするシステムの装着は、お金に余裕のある人であれば社会に対する義務みたいなものだと思う。
特にレクサスを買えるような所得を持つユーザーは、事故を起こしたら社会的な制裁を受けなければならない。RCにオプション設定されるのは、20km/h前後でしか停止出来ない旧式なのだった。それはトヨタも認識していて鋭意開発をすすめており、今年から新方式の自動ブレーキを全面展開していく予定。
ここまで読んで理解して頂けると思うが、クルマの仕上がり以前に「現在必要なスペック」を備えていない。やがて性能と燃費のバランスを追求した2リッター4気筒ターボや、世界水準の性能を持つ自動ブレーキも追加されるハズ。私なら迷うこと無く1年くらい待ってみます。
もし「すぐ欲しい」というならBMWの4シリーズをすすめておく。レクサスは中身がトヨタにも関わらず、日本車として考えると飛び抜けて高い。結果的にBMWとほとんど同じ価格になってしまった。RCシリーズで最も安いRC300hが565万円。RC350だと596万円となる。
BMW4シリーズは、高い性能を持つ自動ブレーキ付きの2リッター4気筒ターボを搭載する420iで517万円。RC350と同等の動力性能持つ428iが自動ブレーキ付きで627万円。安全性の高い4シリーズに2~3年乗ってからRCを試すのも悪くないんじゃなかろうか。
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