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貯めたい人必見!「引き出しにくい」預け先ベスト5

いまや、日本全国どこでもコンビニATMを使えばお金を引き出せます。各金融機関も自行のATMだけではなくコンビニATMや提携金融機関を増やすなど、利便性がひと昔に比べて格段に向上しています。しかし、お金を貯めるためには、この利便性が時には邪魔をします。お金を貯めたいなら、あえて「不便」を感じる金融機関を選ぶことが大事なのです。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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引き出しにくい金融商品に預けてお金を貯める

お金を貯めたいと思ったときに、大切なことはいくつかあります。ムリなく継続できること、金利のいい商品を利用すること、目的に合わせてお金を預け分けること、管理がしやすいこと、使い勝手がいいこと……。
 
「あえて引き出しにくい定期預金」にすることがポイント。

預け先は「あえて引き出しにくい定期預金」にすることがポイント



このうち「使い勝手がいい」というのは、お金を預け入れるのに、わざわざ銀行の窓口に行かなくてもネットで簡単にでき、いざ引き出すときも近くのATMが利用できること、といった点が重視されます。

しかし、今回、あえて「使いにくさ」で選んだ方が、お金が貯まるということを紹介します。

普通預金=生活資金については、引き出しやすさで選ぶべきですが、お金を貯めたいなら引き出しやすさは関係ありません。必要以上に普通預金口座に残っているお金は、定期預金など別の貯蓄商品に預け替えることが大切です。その際、いつも使っている銀行の定期預金に預けてしまうと、普通預金残高がなくなっても、定期預金を担保に自動貸越でお金を引き出すことができてしまいます。これは当然借金。金利が発生します(お金を貯めたいなら、普通預金のワナに注意)。

こうしたことを防ぐには、「あえて引き出しにくい定期預金」にすることがポイント。

以下の5つのうち、自分にとって「使いにくい、引き出しにくい」と思うものを選びましょう。

1 普段、郵便局に行かないなら、ゆうちょ銀行の定額貯金に預ける。
2 普段使わない地元の信用金庫の定期預金に預ける。
3 個人向け国債なら1万円から購入できるので、まとまったお金がなくても少額からできる。
4 ネット銀行の定期預金に預ける。いったんネット銀行の普通預金に入金し、自宅のパソコンでネット定期に振替。ネット銀行の普通預金には入れっぱなしにしない。
5 縁もゆかりもない地方銀行のネット支店に口座開設。ネット銀行同様、いったん普通預金口座に入金して、自宅のパソコンからネット定期に振替。

どれも、口座開設にすごく手間がかかる、と思われるかもしれませんが、ネット経由で口座開設資料を取り寄せ、必要事項を記入、書類を同封して返送。この作業は普通預金以外の商品を使ってお金を貯めるなら、どれも同じです。これすらもできない、面倒なら、お金を貯めることはできません。ちなみに、ネットは使いたくない、という人は1~3が候補になります。

勤務先に財形貯蓄制度があれば、給与天引きが基本なので、増額して普通預金への給与振込を減らすという手もあります。財形貯蓄制度は利子非課税などの特典が魅力です。さらに、お金を引き出す際に、会社の関係部署に引き出しの申請をしなくてはならず、「ちょっと恥ずかしい」という気持ちにさせてくれるのも引き出しにくさを感じるでしょう。
 

引き出しにくければ、安易な取り崩しを防げる

これまで貯蓄をしても、すぐに引き出してしまうクセがついている人は、こうしたちょっと手の届かない(心理的に遠い)銀行や定期預金を使うことで、引き出すときに、「めんどくさい」と思い、取り崩す気持ちをとどまらせてくれます。絶対引き出さない!と誓っても、これまで身に付いたクセを直すのには相当な自制心が必要。自分の行動パターンを逆手にとって、お金を遠い場所に置いてしまうのです。

注意点としては、高金利のネット定期のうち、預入期間が1年限定で満期後は、その銀行の通常の金利になるというケースです。満期後にそのまま預けておいてもいいですし、その時点でほかに金利がいい銀行があれば預け替えてもいいでしょう。ただ、それだけの手間をかけて見合う金利かどうかは見極めましょう。

筆者も、普段使わないネット銀行に口座を開設し、定期預金をしています。その銀行自体は普通預金金利も一般の都市銀行より金利が高く、ATM引き出し手数料も無料、振込手数料も無料と使い勝手が抜群にいいのですが、筆者は、この銀行の普通預金にはほとんどお金を残していません。定期預金のための銀行と割り切っています。キャッシュカードもありますが、一度も使ったことがありません。おかげで、この定期預金は手つかずの老後資金の一部として残しております。

もうひとつポイントとしては、手つかずのままにしておいても、いつか使うときがやってきます。そのために、10万円1口、50万円1口、100万円1口、といった具合に小口に分けて定期預金にすること。こうすることで万一引き出すことになっても、全額解約しなくてもすみます。300万円以上で少し金利が高くなる銀行もありますが、マイナス金利導入後、預入金額による金利差はほとんどありません。小口に分けて預け入れる。これもちょっとしたテクニックです(ひとりにつき1口100万円などと限定したものは除く)。

これは筆者が実践したことですが、マンションを売却して家の建築資金に充てたときに、建築資金はまとめて一括で支払うのではなく、3~4回に分けて支払います。そのため、マンションの売却資金は小口に分けて定期預金にしておきました。支払いの時に必要な資金(口数)だけ解約。利息は数千円の違いかもしれませんが、残ったお金はそのまま定期預金にしていますので、手間を惜しまずにやれば、お金を有効に運用することができるのです。
 

引き出しにくくて、金利が高いものがベスト

現時点で、普通預金から預け替えに向いている銀行、貯蓄商品をいくつかご紹介しましょう。
 

【ゆうちょ銀行の定額貯金】

全国の郵便局、ゆうちょ銀行
<金利>6カ月以上1年未満:年0.01%。3年以上:年0.01%
<預け入れ単位>1000円以上1000円単位
<特徴>預入日から6カ月経過後は払戻し自由。3年までは6カ月ごとに段階的に金利が変わり金利差はない)、10年間は半年複利で利子を計算(現在は、金利状状況により段階的な。都市部などでは郵便局が通勤経路にないことが多く、ゆうちょ銀行を利用していないという人も少なくない。こうした人は、あえて郵便局に口座開設。ゆうちょダイレクトも申し込めば、あとはネット上での取引も可能に。コンビニATMとの提携なども多く引き出しの誘惑もあるので、通常貯金(普通預金)には、お金を残しておかないこと。
 

【地元の信用金庫の定期預金】

例:城南信用金庫
<金利>1年0.01% 3年0.01% 5年0.01%
<預け入れ単位>100円以上1円単位など
<特徴>信用金庫は、地元在住、在勤の人が利用できる。通常の定期預金のほか、懸賞金付き定期預金など、バラエティーに富んだ商品を扱っている。金利が上乗せされる「子育て応援定期」を扱っている信用金庫も多いので、子育て世帯なら利用価値大(お年玉は子ども名義で貯める、子育て応援定期で貯める)。ゆうちょ銀行同様、一般的には通勤経路にないことが多く、頻繁に利用することもないので、つい引き出してしまう、という人におすすめ。
 

【個人向け国債】

全国の郵便局、銀行、証券会社
<金利>変動10:0.05%、固定5:0.05%、固定3:0.05%
<預け入れ単位>1万円以上1万円単位
<特徴>変動10は変動金利で半年ごとに適用金利が変わる。満期10年。固定5、固定3は固定金利で購入時の金利が満期まで続く。満期はそれぞれ5年、3年。いずれも購入から1年経過後は中途換金が可能(直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれる)。普段使っている金融機関でも取り扱いがあるので、普通預金口座に残ったお金で、こまめに購入するといった使い方もできる。ただし、購入手数料はかからないが、金融機関によっては口座管理手数料がかかるところもあるので、注意してほしい。
 

【ネット銀行の定期預金】

オリックス銀行 eダイレクト預金
<金利>1年・2年:0.20%、3年:0.25%、5年:0.30%
<預け入れ単位>100万円以上
<特徴>インターネット専用の定期預金で、通常の定期預金の金利より高く設定されている。ほかのネット銀行と比べ、預入単位が100万円以上とややハードルが高い。2週間満期の定期預金もあり、50万円以上から利用できる。金利は年換算0.10%。

大和ネクスト銀行 円定期預金
<金利>1年:0.10%
<預け入れ単位>10万円以上
<特徴>預入期間は1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、3年、5年。1カ月もののみ金利0.08%でそのほかはいずれも、0.10%。大和証券と連携しており、貯まった資金を運用したい人に向いている。

ソニー銀行 円定期預金
<金利>1年:0.05%
<預け入れ単位>1万円以上
<特徴>預入期間は1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、3年、5年、7年および10年の「期間指定」と1カ月超から10年未満で自由に満期日を指定できる「満期日指定」の2種類。指定の口座から自動で引き落としをしてくれるサービスがあり、積み立て定期を利用することが可能。

楽天銀行
<金利>6カ月:0.12%、1年:0.03%、5年0.04%など
<預け入れ単位>1000円以上
<特徴>利便性が高いネット銀行で、証券会社との連携に優れ、投資を考えている人には最適だが、まずはお金を貯めることが目的なので、普通預金にお金を入れっぱなしにしないこと。ただし、条件を満たすと、普通預金金利のほうが定期預金金利より高いので、使い方次第で預け方を工夫するとよい。1000円から預けられるので、貯蓄初心者にも利用しやすい。10万円以上から利用できる短期の定期預金もある。
 

【地方銀行のネット定期】

香川銀行セルフうどん支店
<金利>超金利トッピング定期預金 1年:0.27%
<預け入れ単位>10万円以上100万円まで
<特徴>
超金利トッピング定期は、1年、100万円までの定期預金。金利トッピング定期なら預け入れは10万円以上300万円で、期間は1、2、3、5年。1年0.20%、2年0.20%、3年0.21%、5年0.22%。常にトップクラスの金利。ゆうちょ銀行、イオン銀行、セブン銀行などのATMと提携している。

愛媛銀行四国八十八カ所支店
<金利>100万円限定だんだん定期預金 1年:0.27%
<預け入れ単位>ひとり100万円1口
<特徴>ぴったり100万円限定の定期預金。ほかに通常の定期預金もあり、1万円から可能。預け入れ期間は6カ月~5年。1~3年0.25%、4~5年0.15%。ローソンATMなどと提携している。

トマト銀行ももたろう支店
<金利>スペシャルきびだんご定期預金 1年:0.25%
<預け入れ単位>1万円以上100万円まで
<特徴>1年、100万円までの定期預金。きびだんご定期なら預け入れは1万円からで、期間は1年、3年、5年がある。それぞれ金利は0.20%、0.20%、0.10%。ゆうちょ銀行、セブン銀行、イーネット、ローソンなどのATMと提携している。


※情報内容は2019年3月18日現在。金利は期間限定のものもあるので、詳しくは各金融機関のWEBサイトなどで確認を。

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